12日のDeNA戦の東京ドーム試合前練習。早出で午後1時半過ぎから巨人岡本が阿部を打撃投手に打ち込んでいた。三塁側ベンチの脇から筒香がその様子をじっと見つめている。そんなとき、吉川尚が視線を遮るように横切った。「岡本くんは、いいスイングしますね。吉川くんもすごいですね」。多くは語らない。数分間の“視察”を終えると、ロッカールームへと引き揚げていった。

 今季の巨人の2大看板だ。岡本和真と吉川尚輝。開幕から15試合を終えた時点までは全試合でスタメン出場を続けている。岡本はすでに3本塁打をマーク。吉川尚も打撃には少々、苦戦を強いられているが、守備では光るものを随所に見せている。

 冒頭の筒香に戻る。2人が活躍すれば他球団のマークも厳しくなる。仮に活躍していなくても活躍させまいとマークをする。それが看板選手の宿命だろう。同一リーグ球団との対戦は25回戦で争われ、交流戦を含めた143試合のペナントレースで頂点を競う。ライバルを見るのは試合中に限ったことではない。あらゆる場所で互いを意識し、マークし合っている。そんな重圧に岡本と吉川尚も打ち勝つ必要がある。【巨人担当 為田聡史】