育成担当の清川氏はテレビで今井の投球を見届けた。4月に面談した際、今井が菊池の名を挙げた時は「自分より力が下の人ばかり見て、その気になる選手もいるが、そうじゃなかった。エースはエースを知るんだな」と思ったという。ともに甲子園で名を上げたドラフト1位投手。ユニホームを着られない間も上を見ていた教え子の初勝利に「本人の頑張りですよ」と、うれしそうに話した。

 今井に菊池を重ね合わせるのは、潮崎2軍監督も同じだ。「力任せで、すぐに球速を見る。若い頃の雄星みたい。でも、球は1軍トップクラス。いずれ雄星のようになれる」と太鼓判を押す。「気持ちを表に出さないタイプだけど、今回のこと(喫煙問題)は内心、こたえたはず。だから、上がれて良かった」とも言った。過ちをなかったことには出来ない。だが、次代のエース候補は腐らなかった。姿勢が周りにも伝わったから、この日を迎えられた。【西武担当・古川真弥】