<ソフトバンク16-4西武>◇16日◇ヤフオクドーム

 懐かしい顔が海を渡って、福岡に帰ってきた。1999年(平11)、ホークスが福岡移転後初優勝した時の守護神、ロドニー・ペドラザ氏(48)がこの日、始球式に登板。現役を引退して15年の月日が流れ、腰回りがかなり大きくなっていたが、人なつっこい笑顔は変わらずだった。

 ホークス在籍4年間で117セーブ。99、00年の連覇に貢献し、常勝ホークスへの「礎(いしずえ)」を築いたと言っていい。ペドラザ氏は王ダイエーV2時の「絶対的ストッパー」となったが、来日1年目の99年は開幕2軍スタートだった。4月下旬に当時の尾花1軍投手コーチが2軍戦を視察。抑えは確定しておらず、球持ちのいいペドラザ氏を使ってみたら、はまった。初登板は5月1日の西武戦(福岡ドーム)。初セーブは1週間後の5月8日の西武戦(同)だった。

 「ホークスのことはインターネットで週2回はチェックしている。(同僚だった)工藤さん、秋山さんも監督だったし、福岡は僕にとってすばらしい思い出だよ」。米テキサス州の自宅は358エーカー(東京ドーム約31個分)という広大な敷地で、60頭の牛も飼っている。ゲートは日の丸をモチーフにし「PEDORAZA50」とホークス時代の背番号も門にデザインしている親日家で、ホークス愛に満ちている。

 今季のチームは守護神サファテを欠き、苦しい戦いを強いられる。勝利をたぐり寄せるためには「投打」の助け合いが必要だ。元守護神が久々に姿を見せた日に8本のアーチが飛び出し大勝。この1勝が「大漁」への潮目になれば、いい。【ソフトバンク担当 佐竹英治】