プロ1号の2点本塁打を放った牧原大成(2018年7月16日撮影)
プロ1号の2点本塁打を放った牧原大成(2018年7月16日撮影)

 ソフトバンク牧原大成内野手(25)は死んでいない。8日に今季初昇格し、ヤフオクドームで16、17日に行われた「鷹の祭典」西武戦でプロ1号本塁打を放つなど連日のヒーローとなった。ラッキーボーイ的な存在になりつつある育成出身の8年目だ。

 死んでいないなんて当たり前と言われそうだが、実は牧原にはネット上で「死亡説」が流れていた。某検索サイトでフルネームを調べると、プロフィル欄に「死没」と出てきてしまっていたことが原因だ。(機械的な不具合によるもので、20日現在修正済)。牧原も「死んでるって出るでしょ? 生きてるのに…」と少しさみしそうにつぶやいた。だがその後、吹っ切れたようにこう言った。

 「ある意味、ぼくは1回死にましたから」。

 昨年6月に右肩を痛め、シーズンを棒に振った。1年以上の時間を経て、1軍の舞台に帰ってきた。「1からやるつもりで、新人のような気持ちですね。失敗を恐れるより、思い切りやろうと思って。結果を求めすぎると緊張するので、気負わないでやれている」。牧原は“生き返った”ようなつもりで野球と向き合い、自分らしくのびのびとプレーしている。

 ところで牧原は今季、名作アニメ「バジリスク~甲賀忍法帖~」の主題歌「甲賀忍法帖」を登場曲の1つにしている。「曲がかっこいいし、乗れる。アニメも全話見ました」と選曲の理由を明かす。バジリスクになぞらえ、冒頭で触れた死亡説について牧原は「天膳ですね」と言った。死んでも死んでも生き返る、同作品の人気悪役キャラ「薬師寺天膳」のことだ。牧原は死んでいない。天膳のように何度でも生き返り、二塁レギュラー獲りを目指す。【ソフトバンク担当 山本大地】

お立ち台でポーズを取る牧原大成(2018年7月17日撮影)
お立ち台でポーズを取る牧原大成(2018年7月17日撮影)