熱戦が続く甲子園。文字通り、興奮する試合が今年も多い。記者も午前中は、テレビで高校野球を観戦し、午後からはプロ野球の取材に向かうという日々を過ごしている。年間143試合を戦うプロ野球選手も自身の母校だけでなく、注目選手へ熱視線を送っている。テレビ画面を通し、球児だったあの夏を思い出す。懐かしさがよみがえる。

 楽天三好は、九国大付出身。3年春のセンバツでは準優勝に輝いたが、夏の甲子園では惜しくも2回戦で敗れた。「日大三がとにかく強かったですね。今の阪神高山、日本ハム横尾がいて。甲子園優勝してるし、とにかくバッティングが、高校生のレベルではなかった。クリーンアップだけじゃなくて全員が打てる。あんな打線は見たことない。センバツの時は、準決勝で勝ったけど、勝てると思ってなかった」と言う。

 当然ながら簡単な試合は、1つもないという。「夏は何があるか分からないというのは、本当だと思いますよ。特に」と、大きくうなずく。甲子園の1勝、プロ野球での1勝。比較することは容易ではない。だが、高校野球でトップを走ってきた選手たちが集うプロ野球の勝負には、熱戦にふさわしいものがあるのではないかと思う。【楽天担当=栗田尚樹】