<日本ハム5-10ソフトバンク>◇21日◇静岡

 高校球児の熱い「夏」が終わった。野球ファンの視線はグッとプロ野球に戻ってくる。セ・リーグは優勝マジックが点灯した首位広島が独走態勢。少しばかりひんやりムードだが、パ・リーグは8月に入って調子を上げてきた工藤ホークスの存在もあって、西武、日本ハム、ソフトバンク3球団の上位争いが「過熱」してきた。今夏の甲子園で春夏連覇の大阪桐蔭は下馬評通りの強さを見せつけたが、さて「熱パ」はこの秋、どんな結末を見るのだろうか。

 今季、故障禍に見舞われたホークスだが、終盤に来て「戦力」が整いつつある。サファテ、岩崎、和田らの離脱に始まり、ここに来て内川、デスパイネの主砲2人も戦列から離れた。それでも8月はこの日の勝利を含めて11勝5敗。助っ人グラシアルが先制打に中押しの1号2ラン…。やはりこのチームは他球団がうらやむ「戦力」を保有している。「1つも負けるつもりはない」と、日本ハム、西武との6連戦を前に全勝宣言ともとれる進軍ラッパを吹き鳴らした工藤監督も、有終の秋をあきらめてはいない。

 それにしても助っ人グラシアルは何とも頼もしい。7月中旬に一時帰国。キューバ代表としてコロンビアで行われた中南米の国際大会に出場し銀メダルを獲得して再来日。この日は3番DHで3打点の活躍。「デスパイネより打つんじゃないですか」。試合前に日本ハム関係者が漏らした言葉が現実となりつつある。【ソフトバンク担当 佐竹英治】