チームがポストシーズンを戦う中、球団を去る選手もおり寂しい季節になってきた。ソフトバンクは10月1日からの第1次戦力外期間で8人の選手が戦力外通告を受けた。

その中に、育成4年目の幸山一大外野手(22)の名前もあった。富山第一高から14年育成ドラフト1位で入団。190センチの大砲候補として期待されていた。昨オフには自主トレで中村晃に弟子入り。「打席でどうやって待つか、ボールの見方などを参考にしています」と手ごたえをつかみ、キャンプでは練習試合で1軍経験の豊富な楽天青山から豪快な本塁打も打った。だが主に3軍での出場で、2軍は7試合のみに終わった。

幸山は選手としてのスケール感もさることながら、記者の趣味であるアニメの話ができることでも楽しみな存在だった。当コラムにおいても、アニメの話題で何度も助けてもらった。

その幸山が本多の引退試合となった6日西武戦で、関係者へのあいさつも兼ねヤフオクドームを訪れていた。試合後も、セレモニーの様子を目に焼き付けるようにじっと見つめていた。

今後については「しっかり考えて決めたいと思います」と熟考しているそうだ。野球の話よりも、アニメのことを聞くことが多かったかもしれない。それでもいつも嫌な顔をせず、丁寧に話してくれた。最後も幸山の方から両手を出し、律義に握手をしてくれた。どんな世界に進むことになっても活躍してほしい。心からそう思う。【ソフトバンク担当 山本大地】