鎌ケ谷で秋季練習に参加した新任の日本ハム原田2軍総合コーチ(左、右は栗山監督)(撮影・木下大輔)
鎌ケ谷で秋季練習に参加した新任の日本ハム原田2軍総合コーチ(左、右は栗山監督)(撮影・木下大輔)

胸が高鳴る戦力が、加入する。日本ハムの来季2軍総合コーチに、原田豊アマスカウト(59)が就任した。プロ経験はないが14年から前職を務め、主に九州・沖縄地区を担当。日本ハムが掲げる「スカウティング」を経験した手腕で、今度は「育成」を試みようとしている。

純真な熱意と、選手への愛にあふれるスカウトだった。スカウト1年目。初めて担当地区から輩出したのが次代の正捕手候補、清水優心だった。最初の出会いは、柳井高の監督を務めていた時。岩国ボーイズに所属していた清水の才能に、ひかれた。強豪・九州国際大付に進学し4番キャプテンと、見初めた才能は開花。晴れて日本ハムで、想いは実った。

清水のほか、これまで3選手をプロの世界に導いた。清水を「長男」と呼び、続いて入団した田中豊を「次男」、高良を「三男」と、プロ入り後も変わらぬ愛情を注いだ。昨年のドラフトでは、柳ケ浦から田中瑛が入団。小顔の甘いマスクで、身長184センチの推定9頭身。比べると、がっしりとした男らしい風貌の清水と田中豊からは「原田さん、系統が変わりましたよ」と指摘され、まるで家族のように笑い合っていた。

夏の甲子園時期の姿は、風物詩になっていた。心配になるほど、他のスカウトよりも真っ黒に焼けた顔。それもどこか誇らしげで、生き生きとしていたのが印象的だった。炎天下で「五男」を探していた証かもしれない。今度は2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷の照りつける太陽の下、選手と汗を流す姿を楽しみにしている。【日本ハム担当=田中彩友美】

14年日本ハムのドラフト2位清水優心捕手(左)と原田豊スカウト(2014年11月21日撮影)
14年日本ハムのドラフト2位清水優心捕手(左)と原田豊スカウト(2014年11月21日撮影)