新入団会見を行い背番号「5」を披露する近本(2018年12月3日撮影)
新入団会見を行い背番号「5」を披露する近本(2018年12月3日撮影)

どこまでも変わらぬ表情に、強いメンタルを期待した。

12月4日に行われた阪神の新人入団発表会見。ドラフト1位の大阪ガス・近本光司外野手(24)は、100人を超す報道陣に囲まれ、金びょうぶの前で落ち着いて宣言した。

「新人王、それを取るために盗塁王を狙いたいです」

あれだけの人の前で堂々としっかり、目標を言えるなんて。12月から阪神担当になり、人の多さと熱気に圧倒されていた私は、率直にすごいなと思った。

続いて行われた囲み取材でも、近本に気負うところは全くなかった。今の心境や背番号「5」など、次々に聞いていくうちに、話題は近本の趣味である「旅行」の話になった。奥さんや家族と行くだけでなく、1人旅も好きだと言う。特に好きなのは九州。大分までフェリーで行ったり、福岡で食べ歩きをしたり。九州が好きな理由は、「しょうゆの味」だそうだ。「やっぱりなんていうんですかね、甘みとうまみが…こんな話、興味ありますか?(笑い)」と、全く飾らぬ様子で和ませてくれた。

取材の中で、これだけの報道陣に囲まれてどう? と聞かれた近本はこう答えた。

「仮契約の時もそうですけど、地元の球団で地元の選手がドラフト1位にかかるというのは、本当にすごいことだなと思う。ドラフト1位で地元の選手だから、こういう風に取材もしてもらえてると思っているので、これからは『僕を取材したい』というふうに変えていきたいなって思います」

大きな目標を堂々と掲げながら、自分の足もとをしっかり見ているルーキー。どこまでも落ち着いた様子に、甲子園の大観衆の前での活躍を期待した。【阪神担当 磯綾乃】

新入団会見を行った近本は、自慢の足をスライディングでアピールする(2018年12月3日撮影)
新入団会見を行った近本は、自慢の足をスライディングでアピールする(2018年12月3日撮影)