阪神が来季の新外国人として今オフ、中日を自由契約となっていたオネルキ・ガルシア投手(29)と大筋合意していることが15日、分かった。近日中に発表される見通し。150キロ超の左腕で来日1年目の今季は13勝、防御率2・99だった。

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ビシエド、アルモンテら中日のカリビアンで、ガルシアが最も陽気だった。練習日の帰り際はスマホにスピーカーをつなげ、ラテン音楽を大音量で流し、踊りながら球場を後にしていた。4月を3勝0敗でスタートした左腕は5月も3勝1敗で先発の軸としてフル回転した。6月2日の日本ハム戦で2敗目を喫した翌日、左眉に2本のそり込みを入れるパフォーマンスを断行。「負けたことを忘れないために入れたんだ」。その眉を見せながら報道陣を笑わせた。

陽気かつ、真摯(しんし)に日本野球に付き合った。練習は日本人選手と同じメニューをこなし続けた。支えたのは森前監督だった。オープン戦期間中、投球動作に入る前に右足を後方に下げるよう指導。投球に安定感が増し先発候補に浮上した。シーズン中には新たなチェンジアップの握りを伝授し、登板間のブルペン投球にも付き合い、指揮官が自分の体をガルシアに押し当てながら体重移動の練習を行っていた。森前監督と二人三脚で挙げた13勝。“師匠”から巣立った来季に真価が問われそうだ。【中日担当・伊東大介】