ウオーミングアップで声を張り上げる巨人吉川大幾(2019年2月9日撮影)
ウオーミングアップで声を張り上げる巨人吉川大幾(2019年2月9日撮影)

巨人が沖縄に入って2日目の投内連係中、ひときわ大きな声がグラウンドに響いた。沖縄キャンプから1軍に昇格し、二塁を守る吉川大幾内野手(26)だった。「クッキー」「ヤングマーン」「ナイスプレー」。新外国人のライアン・クック(31)は声を掛けられる度にニコッと笑って、吉川大に視線を向けた。単調にも見える練習が、大幾の声で活気にあふれた。

4年ぶりに就任した原辰徳監督(60)が、「鈴木尚広2世」の誕生を期待する中、候補の1人に挙がる。昨季はシーズン3安打ながら守備固め、代走など、貴重なユーティリティープレーヤーとして、1軍でプレーした。宮崎キャンプは2軍スタートも、3日の紅白戦で2安打を放ち、猛アピール。「たまたまです」と謙遜したが、走攻守で存在感を示した。

原監督時代に達成した2度の3連覇(07~09年、12~14年)では、ベンチ入り選手の層が豊富だった。大道(現ソフトバンク2軍コーチ)木村拓(故人)、古城(現巨人ファームコーチ)寺内(現BC栃木監督)ら途中出場の選手の活躍も光った。昨年でいえば、パ・リーグを制した西武熊代の試合前の声出しが注目を浴びた。

坂本勇、北村、楽天西巻と行った1月の沖縄自主トレ、吉川大は今季の意気込みを語った。「守備と足。自分はそこで勝負なんですけど、スキあらば狙っていく気持ちです。でも、1軍のベンチに座ってないと可能性も広がらないので、まずはそこから」と話した。原監督が求める「個人より巨人」でチームに貢献する。【久保賢吾】

三塁に滑り込む巨人吉川大幾(2019年2月5日撮影)
三塁に滑り込む巨人吉川大幾(2019年2月5日撮影)