2人のエース候補がソフトバンクの投手陣を引っ張っている。東浜巨投手(28)と千賀滉大投手(26)だ。

このキャンプではともに開幕投手を目指し切磋琢磨(せっさたくま)しているが、投球面だけではなく精神面でもチームの中心になろうとしている。

例えば東浜は、育成ルーキーの重田から質問を受け、身ぶり手ぶりで投げ方を指導する場面があった。千賀もドラフト1位の甲斐野にアドバイスを送ったようで、17日の紅白戦で初実戦を終えた甲斐野が「ランナー出てからが大事やぞ、と言われていたので、意識して投げました」と話していた。

エース格といってもまだ2人は20代。若い東浜と千賀が周囲を見渡す立場になったことで、年の近い若手たちも声をかけやすく相乗効果が生まれているように見える。

ベテラン和田は以前、こう話していた。「2人が開幕を狙うというチームの状況は喜ばしい。大いに競争して、チームを引っ張っていってほしい。ぼくが入った頃は(斉藤)和己さん、スギ(杉内)、(新垣)渚と競い合ってやってきた。2人が先頭に立って柱になってもらわないと」。近い将来、00年代を超える「投手王国」が生まれているかもしれない。【ソフトバンク担当 山本大地】