<DeNA1-3阪神>◇24日◇横浜

阪神才木浩人投手(20)がDeNA打線を6回途中まで1失点に抑え、今季初先発で初勝利を挙げた。昨年6勝を記録したが、今季は調子が上がらず開幕を2軍スタート。メッセンジャー、ガルシアと主力投手が2軍調整中と苦しい台所事情にあって、若手右腕の好投は明るい材料になった。DeNAに連勝し、5カードぶりの勝ち越しを飾った。

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才木が、全力投球でも力まなくなったのは藤川にもらった「助言」があるからだ。

「投げるときに『上半身に力が入りやすいから、できるだけ下半身に意識を向けていけ』と言ってもらいました。球児さんは、上半身を一切触らないそうなので。上半身と下半身の連動性が大事だと気づかせてもらいました」

憧れだった火の玉ストレートは、体全体で生み出されていた。そんな直球の質に、才木のボールも近いという証人がいる。藤川のボールをずっと受けてきた片山プルペン捕手だ。「上からたたくので、ボールの回転が(2人は)似ている。指先でリリースにスピンを伝えているので軌道が一緒。思いっきり腕を振ってくるから、フォークも同じように落ちてくる」。憧れは見て、まねして学ぶ。チーム内に生きた教科書がいる才木は、まだまだ伸びる。【阪神担当=真柴健】