CSファーストステージが開幕した5日、ソフトバンク上林誠知外野手(24)は福岡・筑後市のファーム施設で3軍にいた。2軍は宮崎でファーム日本選手権。1軍と同じく楽天と対決していた。「僕には出場資格がないんですよ。あったとしても出てないとは思いますが」。2軍戦での規定打席(試合数×2・7×0・3)か出場20試合以上がないと出場できないため、宮崎には行かず筑後に残留していた。

プロ6年目の今季は不本意な結果に終わった。99試合に出場し、打率1割9分4厘、11本塁打、31打点、10盗塁。4月17日ロッテ戦で右手甲に死球を受けた。だが、外野手に故障者続出していたこともあり、その後も痛みを抱えたままプレーを続けた。5月6日に右第4中手骨掌側剥離骨折が判明。5月10日から1カ月離脱し6月中旬から1軍に復帰したが、調子は戻らず8月中旬からは代走、守備固め要員となり、9月20日に2軍降格となった。

今も手には痛みは残るが、オフに手術をする必要はないという。上林を再生させようと王会長、秋山前監督、ほかにも球界OBらがアドバイスしたが、泥沼は抜け出せなかった。藤本博史3軍監督は「どの理論も正しいが、上林に合う合わないはある」と話す。現在は軸足を意識して打つようになっているため、7月8日西武戦(東京ドーム)で低めの難しい球を右翼席へ運んだ(8号ソロ)ような、上林本来のよさがなくなっているという。

藤本3軍監督には、15年から2軍で2年間、17年から1軍で2年間の計4年間打撃コーチとして早出特打から一緒に練習してきた。4日、5日の2日間だけの3軍合流だが、師匠との時間が復活へのヒントとなってほしい。上林は「白紙ということですよ」と8月から打撃時の防具の色を青から白に変え、真っ白な気持ちで復活しようとしている。「来年ですよ」。今後は宮崎へ合流しフェニックス・リーグに出場し、秋のキャンプへと続く。昨秋は侍などで秋もまとまった練習ができなかった。日本一を争うチームから離れる悔しさは、来季再びレギュラー奪取し晴らしてほしい。【ソフトバンク担当=石橋隆雄】