オリックスの主砲・吉田正尚外野手(26)が2億円の大台を到達した。8500万円から一気に1億1500万円の大幅昇給。5年目以内の2億円到達はプロ野球14人目のことだ。「最高の評価をしてもらいました」と笑顔を見せたが、ここまで決して順風だったわけではない。(金額は推定)

1、2年目は腰痛に悩まされた。新人だった16年は4月下旬に抹消され、復帰したのは8月上旬。17年は開幕から1軍を外れ、復帰したのは7月上旬になってからだった。1年目が63試合、2年目も64試合の出場にとどまった。完治を目指し、17年オフに手術に踏み切った。

その間、ファンからの手紙に励まされたという。と同時に試合出場へのこだわりが芽生えた。「ファンの方はその日しか(球場に来られ)ない可能性がある。だから、全試合出場を続けていきたい」。試合に出続ければ、その1試合にだけ来たファンがいても、プレーを見せることができる。その姿勢は素晴らしいと思う。

今季は、2年連続の全試合出場を果たした。打率3割2分2厘、29本塁打、85打点をマーク。2年連続でベストナインにも選出された。11月のプレミア12では、侍ジャパンのメンバーとして世界一獲得にも貢献した。

「その悔しさがあるから頑張ってこれた」と振り返る2年間が、これからも「全試合出場」にこだわり続ける吉田正を突き動かすのだろう。【遊軍=高垣誠】