ロッテのドラフト1位、市和歌山・松川虎生捕手(18)の契約会見を24日に取材した。未来の正捕手候補として「1年目から負けないように戦っていきたいなと思っています」と気持ちを引き締めた。

大物感がひしひしと伝わった。和歌山市内の会見場には1枚のボードが用意されていた。ロッテ本社の人気アイスクリーム「雪見だいふく」を模して“雪見だい虎生ふく”とデザインされている。だい虎生(こう)ふく、で大幸福。松川はその横で幸せそうな表情でカメラに映る。

カメラマンから「食べるマネをしてもらえますか?」とリクエストがあった。すると松川は、首をわずかに特製ボードの方に傾けてカメラ目線になった。「(食べるマネの写真は)初めてですけど」と笑いながらも、そのポーズが実に様になっている。雪見だいふくがうまそうに見えた。

単独でのドラフト1位指名を決断した理由の1つに「人間性」がある。「しっかりとみんなを引っ張っていける、みんなをしっかりまとめられる力が非常にあると聞いたので。我々もそこをかなり評価してドラフト1位で指名させていただきました」と井口資仁監督(46)。雪見だいふくを出されて、サッと反応。自分の個性が最大限になる表情になれるのは、高校トップクラスの選手として取材慣れしているというだけではなさそうだ。

雪見だいふくのくだり以外にもう1つ、ハッとさせられた。契約会見では恒例の、初めてプロ野球のユニホームを着る儀式。初めてのことなのに、松川は率先して学ランを脱ぎ、グレーのセーター姿になっていた。その場の流れを読み取る力。察して、能動的に動くことができる力。頼もしい若者が加わる。【ロッテ担当 金子真仁】