プロ4年目、広島大盛穂外野手(25)のトークに思わず聞き入った。16日の合同自主トレ終了後のことだ。「お前のタイプだから空振りはしちゃいけない、三振してはいけない、というのを気にしてしまうと、縮こまる。お前はホームランはいらん、と言われても別に打てたらいいじゃないですか」。のびのびとバットを振っていた。型にはめられないマインドに驚いた。

練習中、身体的構造を4タイプに分けて体の動かし方を分析した「4スタンス理論」の話題になり、松井秀喜氏(47)や西武中村剛也内野手(38)と同じ「B2タイプ(かかと外側に重心がある)」と診断されたという。「(重心が)前でさばく人間だと思っていたけど、実は後ろでさばくタイプだった。打撃が一番の悩みなので(後ろ体重で)やってみてもいいのかな」と重心位置に変化をつけることも視野に入れている。

導入の経緯も大盛らしい。「どうせ打てないなら新しいことをやって、打てない方が次につながるのかなと思う」。やらずに後悔より、やって後悔。良い意味で肝の据わっている。「社会人はこうでいなくちゃ」と思ってしまう社会人1年目の私もハッとさせられた。【広島担当=前山慎治】

広島・大盛穂(2021年9月25日撮影)
広島・大盛穂(2021年9月25日撮影)