夏の甲子園大会が8月6日に開幕する。今大会の注目投手をピックアップ。

 最大の目玉は東海大相模(神奈川)の左腕、小笠原慎之介投手(3年)だろう。180センチ、83キロの体から最速150キロのストレートを投げ込む。今春の関東大会・準決勝の浦和学院戦で本塁打を2発浴びて敗れた試合を見た。直球の威力は十分ながら、甘く入ったストレートを狙い打たれていた。その反省からか今夏はチェンジアップを有効に使い、まさに無敵。決勝では横浜打線を寄せ付けず完封した。スカウトの評価も高まる一方でドラフト1位候補。馬力、スタミナもあり終盤になってもスピードが落ちないのも魅力だ。

東海大相模の150キロ左腕、小笠原慎之介
東海大相模の150キロ左腕、小笠原慎之介

 同じ東海大相模には右腕、吉田凌投手(3年)もいる。こちらの武器は鋭いスライダー。145キロ前後の直球のキレも良くなり、小笠原とのコンビで全国制覇を狙う。

 昨秋の明治神宮大会優勝投手、仙台育英・佐藤世那(3年)も注目の右腕だ。センバツで精彩を欠き、今夏も調子が上がらなかったが決勝の大一番で復活。140キロ台の直球と鋭いフォークボールで甲子園初優勝を狙う。

 東北地区では花巻東(岩手)高橋樹也(3年)と秋田商・成田翔(かける=3年)の左腕コンビも魅力十分。高橋は最速146キロの直球が武器の本格派。決勝戦では延長13回190球を投げ抜いた。成田は今大会39回を投げて55奪三振。身長169センチの「ドクターK」で同校の先輩、ヤクルト石川2世としても期待されている。

秋田商・成田翔投手
秋田商・成田翔投手

 関東では東海大相模コンビのほか、霞ケ浦(茨城)綾部翔(3年)、専大松戸(千葉)原嵩(しゅう=3年)の両右腕の評価が高い。綾部は187センチの長身から最速145キロ、原も184センチから最速148キロの直球を投げ込む。

霞ケ浦・綾部翔投手
霞ケ浦・綾部翔投手

 東海大甲府(山梨)菊池大輝(2年)は178センチ、83キロのガッチリとした体から最速145キロの直球を投げ込む。2年生では花咲徳栄(埼玉)の高橋昴也も魅力十分。179センチの左腕で真上から140キロ前後の直球を投げる。

 静岡・村木文哉(2年)は182センチの長身から140キロ台の直球とフォークボールが武器。直球に磨きがかかり、昨秋から春、夏と順調に成長している。

 センバツ優勝投手の敦賀気比(福井)平沼翔太(3年)も健在。遊学館(石川)小孫竜二(3年)は最速146キロ。決勝では金沢を1-0で完封した。

 初出場の大阪偕星学園のエースは左腕・光田悠哉(3年)。130キロ台後半の直球とスライダーが武器。準々決勝・大阪桐蔭戦で2失点完投勝利を収め自信をつけた。1番を打ち外野を守る姫野優也(3年)はマウンドに上がれば140キロ超の速球で打者を圧倒する。

 広島新庄の2年生エース、堀瑞輝は3回戦から決勝までの5試合を1人で投げ抜きわずか3失点。サイドから140キロ前後のキレの良い直球を投げ込む。

広島新庄・堀瑞輝投手
広島新庄・堀瑞輝投手

 鹿児島実・橋本拓実(3年)は140キロを超す速球が武器の181センチ右腕。興南・比屋根雅也(2年)はトルネード左腕。130キロ台の直球とキレの良い変化球で三振の山を築く。

興南・比屋根雅也投手
興南・比屋根雅也投手

  

 最速152キロの高校生NO・1右腕、県岐阜商・高橋純平(3年)や、スカウトから高評価を受けていた148キロ右腕の大分商・森下暢仁(まさと)は地方大会で敗退した。