夏の甲子園を目指す地方大会が終了し、49代表が出揃った。今夏の地方大会も多くのドラマが起こった。その中で最大のニュースは星稜(石川)の決勝戦大逆転劇ではなかったか。

星稜の大逆転劇を報じた日刊スポーツ1面
星稜の大逆転劇を報じた日刊スポーツ1面

 7月27日。この日は石川のほか埼玉、群馬など11地区で決勝戦が行われた。ふくださんは内勤業務。テレビやネットなどで試合経過をチェックしながらルーチンワークを粛々とこなしていた。

 午後3時過ぎ。ほとんどの試合が終わり、石川大会もそろそろ終わる頃かなと、朝日新聞さんのサイトをのぞいた。9回表を終わって小松大谷が8-0でリード。ところが9回裏、最後のひとマスがなかなか埋まらない。

 今回のように更新に時間がかかることはよくある。大量点が入っているか、雨で中断のケースが多い。今回も「星稜が3、4点返しているのかな」と予想しつつ、クリックを繰り返した。そして何十回目かのクリックでついに9回裏のマスが埋まった。そこには信じられない数字と記号が入っていた。疲れ目で見間違えたのかと思い何度も見直したが間違いない。

 「9X」。

 何と星稜が9点を奪い逆転サヨナラで優勝を決めていた。これまでいろいろな試合のイニングスコア速報を見てきたがこれほど驚いたことはない。衝撃的な結末に思わず鳥肌が立った。

 同僚に報告し急いで短い速報記事をニッカンスポーツコムにアップ。ツイッターでもイニングスコアをつぶやいた。

ふくださんのツイッター
ふくださんのツイッター

 反響はすさまじかった。次から次へとリツイートされ奇跡の大逆転劇が広まっていった。その数8543。これまで1000を超えるリツイートの経験は何度かあるが、8000を超えたのはもちろん初めて。数字を並べただけのツイートが自己記録を更新してしまった。

 翌日の日刊スポーツはもちろん1面トップ。テレビのワイドショーなどでも取り上げられ、米国でも驚きのニュースとして報じられた。8月2日早朝には、テレビ朝日系「ニュースなぜ太郎!!」で9回裏星稜の攻撃がすべて放送された。実況した地元テレビ局の解説者が「球史に残りますね」と思わず漏らしたコメントが印象深かった。

 この夏の地方大会では今回のようなビッグイニングが多かったという印象が強い。

 沖縄大会準決勝では2-2延長10回表に沖縄尚学が何と11得点を挙げ勝ち越し。そこで49地区の準々決勝以降344試合(引き分け再試合1を含む)を調べてみた。

 1イニングに5点以上入ったビッグイニングは67度あった。最多は前出の沖縄尚学の11点。5点=33度、6点=24度、7点=7度、8点は無く、9点=2度だった。

 ちなみに昨夏甲子園全48試合(854イニング)でビッグイニングは11度(5点=5、6点=3、7点=1、8点=2)だった。もっと過去にさかのぼって調べる必要があるが、確率的には5試合に1度、ビッグイニングが生まれる可能性がある。

 この夏の甲子園ではどんなビッグイニングや逆転劇が起こるのか。夏の甲子園大会の1イニング最多得点記録は1923年(大12)立命館中の「14」。逆転勝ちの最大得点差は97年夏1回戦で市船橋が文徳に1-9→17-10で勝った8点差。逆転サヨナラの最大は06年夏の智弁和歌山13-12帝京の4点差である。