侍ジャパンが無傷の3連勝で2次ラウンド進出を決めた。野球評論家の西本聖氏に中国戦のポイントと2次ラウンドへ向けての課題などを聞いた。

 -中国に快勝して3連勝

 西本氏 中国とは力の差があったが、3連勝していい流れを作れたのは間違いない。ただ、2次ラウンドを考えれば先発の武田に不安が残った。高めを狙って高めに行ったのなら問題ないが、低めを狙ったボールが高めに抜けていた。予想では2次ラウンド第1戦(12日=対オランダ)は石川、14日の第2戦(対キューバ)は菅野が先発。15日のイスラエル戦に誰を投げさせるか。順番なら武田、あるいは則本だろうが、今日の武田の内容は勝ったけれど15日に向けて不安材料が残った。

 -打線は

 西本氏 主軸に関しては問題ないが、鈴木と平田が心配。ボール球を振り過ぎ。フォームを崩しているから自分の打撃ができていない。2次ラウンドまであと1日しかないが修正して欲しい。

 -2次ラウンドのポイントは

 西本氏 1次ラウンドに比べ対戦相手のレベルが一段高くなる。一つのミスが命取りになる。いかに1点を取り、いかに1点を守るか。今まで以上にベンチの采配が問われることになる。2次ラウンドでは球数制限が65球から80球に増える。でも、増えたからといって先発を引っ張り過ぎてもダメ。先発をどこで代えるか-。球数にとらわれ過ぎず勇気を持って早め、早めに代えていくこともポイントになるだろう。

 -1次ラウンド3試合を見て使える投手、使えない投手の見極めは

 西本氏 先発陣では石川と菅野は大丈夫。武田と則本にやや不安が残ったがダメと言う状態ではない。リリーフでは牧田、秋吉を抑えに使うようだが、2人とも力でねじ伏せるというよりもタイミングを外しながらかわす投球スタイル。外国人にはいないタイプということで小久保監督も抑えで使いたいのだろうが、これからの戦いでは力対力というところもポイントになってくる。三振を取りたい場面で三振を取る、ということを考えれば平野や増井あたりを使う手もあるのかもしれない。

 -嶋の離脱で不安視された捕手だが、小林で落ち着いてきた

 西本氏 今日の試合で本塁打も打ったし気分的にも乗ってきている。ただ、リードには注文を付けたい。右打者に対して9割が外角という偏った配球。たまに内角にボールが行くと相手打者が飛び避けるシーンを何度か見た。外角球が多いから打者は内角に意識がない。これからの戦いではいかに内角を意識させるかが勝負。配球を変えていくことも必要だろう。オランダ、イスラエルの打者はバットの振りが鋭い。本当の勝負はこれからだ。