侍ジャパンが米国に1-2で敗れ決勝進出を逃した。野球評論家の西本聖氏が準決勝を振り返った。

 -残念ながら1点差負けで決勝進出を逃した

 西本氏 良い試合を見せてもらった。今回、米国が本気で来たなというのをすごく感じた。その中で負けはしたが好ゲームになった。投手陣が本当に良く踏ん張ってくれた。改めて日本投手のレベルの高さを見せつけることができたと思う。今は「お疲れさまでした」というのが率直な気持ち。選手を責めることはできない。

 -この試合で得た教訓は

 西本氏 やはり1点を争うゲームはミスが出た方が負けだなと。改めて守備の大事さを感じた。それと1球の大事さ。8回に千賀が1死一塁からキンズラーにカウント2ストライクからの3球目の甘い変化球を左二塁打された。もう少しで本塁打という当たりだった。あの時、捕手の小林は真ん中付近に構えていたように見えた。1球ボール球を使える場面。中途半端な勝負になってしまった。バッテリーからすればすごく悔いの残る1球になってしまったと思う。大事な場面での勝負の仕方。1つのアウトをどう取るか。千賀-小林のバッテリーには今後の糧にしてもらいたい。

 -打撃陣は菊池のソロ本塁打による1点に抑え込まれた

 西本氏 米国の投手が良かった。ただ個人的に気になったのが8回裏の攻撃。先頭の代打内川が安打で出て(代走田中)、1番山田に送りバントをさせた場面。初球ボールの後、2球目、高めのボール気味をバントして成功したが、エンドランという手も面白かったのかもしれない。山田に打たせて併殺になったとしても誰も責めないのではないか。カウントによってはバントからエンドランに切り替える、あるいは山田の打力にかけるなど柔軟な作戦を取っても良かったかもしれない。

 -侍ジャパンのメンバーに伝えたいことは

 西本氏 勝負だから勝ち負けは付く。負けはしたが一つ流れが変わっていれば勝てたと思う。本気で大会に臨んできた米国を最後まで苦しめた。胸を張って帰ってくればいい。気持ちを切り替えてペナントレースに向かって欲しい。