巨人が開幕3連勝と好スタートを切った。野球評論家の西本聖氏に勝因や高橋由伸監督の采配について聞いた。

 -オープン戦最下位の巨人が開幕3連勝

 西本氏 最高の勝ち方をした。内容のある3連勝だったと思う。今季の戦い方というか、高橋監督のカラーが2年目にして出た開幕3連戦だった。

 -まずは打線から。1番に中井、2番に立岡、坂本、阿部が3、4番を組んで5番には新戦力のマギー。6番に長野、7番には期待の若手・岡本を入れて8番が小林だった

 西本氏 開幕オーダーを見た時に「今年は違うな」と思った。1、2番もそうだし、7番の岡本もそう。オープン戦で調子の良かった選手を選んだ。勝たないといけないという監督の考えが表れたオーダーだったと思う。

 -西本さんも注目していた「5番三塁」にはマギーを起用した

 西本氏 マギーか村田か、どちらをスタメンで使うか注目していた。外れた村田のことが心配だったが、杞憂に終わった。報道によれば開幕前に高橋監督が村田と2人で話しをして「代打の切り札で」ということを伝えた。当たり前のことだが直接話ができたということが大きかったと思う。村田本人もモヤモヤしたものがあったと思う。でも監督から直接話をしてもらうと、選手というのは素直に「分かりました」となる。私もそういう経験はあった。高橋監督が村田と話をしたというのは、人間として、監督として当たり前のようなことだが、開幕前にきっちりと伝えられたことが大きい。良い雰囲気で開幕戦に入れたと思う。

 ◆村田は開幕戦こそ出番がなかったが第2戦の9回に代打で出場しサヨナラ勝ちの口火となる右前安打。「ベンチスタートの選手も、いっぱいいる。スタメンだけが野球じゃない」とコメントを残した。

 -投手陣は

 西本氏 若い投手をしっかりと使った。第2戦では新人の谷岡、池田。先発の田口を5回2失点で降板させたがこれもベンチの勝利に対しての思いが表れていた。

 -抑え役のカミネロについて

 西本氏 クイックができない、直球で空振りが取れないなど課題が多く、1点差や僅差の展開でどうなるのか。そこでの対応次第で今後クローザーが代わる可能性もある。監督がどこまで我慢して采配していくか。

 -WBCで大活躍した小林捕手のリードは

 西本氏 WBCでは投手を信頼しながら内角に勇気を持って投げさせた。チームでも投手を信じた思い切った強気のリードが大事な場面でできればなと思う。

 -3連勝したが今後の課題は

 西本氏 1点を争う場面での1点の取り方。第2戦の9回、安打で出た村田に代走重信を送ったが動かず、次の立岡の内野ゴロで走者が入れ替わっただけだった。緊迫した場面で細かい野球ができるか、今後の戦いぶりに注目したい。