2位阪神が3位DeNAに1勝2敗で敗れファイナルステージ進出を逃した。野球評論家の西本聖氏に阪神の敗因とDeNAのファイナルステージの戦いについて聞いた。

 -先発の能見が初回に1死しか取れず3失点。これで試合の流れが決まってしまった

 西本氏 阪神ベンチが能見という投手の特徴をどこまで把握できていたのかな、と思った。能見は1球、1球は素晴らしいボールを投げる。でも、追い込んでから打たれる、すぐにストライクを取りにいく、連打されるという悪い面を持つ投手。こういう特徴が分かっていたら、どうしてコーチはマウンドに行ってあげなかったのかなと思ってしまった。ああいう場面で流れを変えられるのは投手コーチと監督。間を取って相手の勢いを止めたいところ。マウンドに行って冷静さを取り戻してあげて欲しかった。

 -1回途中から能見を救援した石崎が好投した

 西本氏 石崎は良かった。ただ3回の攻撃で代打を出して下げてしまった。3点差を追いかけなければならない展開だが、それより4点目をいかに与えないかを考えて欲しかった。代打を出した場面は1死走者無し。ランナーがいたら代打で仕方がないが、結局4回に登板した岩崎が3失点し試合が決まってしまった。

 -6回から藤浪が登板し2回を無失点に抑えた。今季はわずか3勝(5敗)に終わった

 西本氏 本来なら藤浪が2戦目か3戦目に先発しないといけない。来年優勝するためには藤浪の復活が大きなカギになる。2桁以上、15勝する力は持っている。今回もDeNAに敗れたのは先発投手の差だと思う。藤浪がエースとしてマウンドにいない限り、阪神の優勝は見えてこない。

 -勝ったDeNAはファイナルで広島と戦う

 西本氏 DeNAは今季広島に13勝12敗と1つ勝ち越しているし面白い戦いになると思う。広島は中継ぎに不安なところもある。DeNAはまず先取点、そして勝負どころでベンチがミスをしないことが重要。ラミレス監督が細かい野球をするのか、どう1点を取りに行くかにも注目したい。