いわゆる交流戦ブレークですが、プロ野球はシーズン中に4日間も空くと寂しく感じて仕方がありません。逆に言えばそれだけ毎日戦えるというのが野球の良さでしょうか。野球が興行的にも向いている理由です。

 交流戦ラスト、金本監督率いる阪神は梨田監督が指揮を執る楽天が相手でした。楽天がパ・リーグ首位の意地を見せ、2勝1敗で勝ち越しました。そんな3連戦で、甲子園球場に姿を見せたのが楽天球団の副会長・星野仙一氏でした。

 星野氏が指揮を執り、阪神が18年ぶり悲願のセ・リーグ優勝を果たした03年。当時、私は虎番キャップでしたが、この頃は有名な「お茶会」がありました。

 遠征先で毎日、午前中から監督を囲んでお茶を飲む。野球の話から始まってプライベートの話題まで。毎日短くて2時間、長ければ3時間以上も話しました。なにかと忙しい人がよくもまあ、毎日毎日なあ…と思うほど話しました。

 あれから13年。楽天戦の3日間は、その再現でした。元虎番キャップだった他紙の記者は出世し、それぞれの社内にいます。たまに私のようなのもいますが。

 いずれにしても当時を知る人、あるいはウワサだけで知る人、体験してみたい若い記者たちが、甲子園球場内の関係者食堂「蔦(つた)」で星野氏を囲み、即席のお茶会となりました。

 当初は16日だけと思っていたのに翌日もその次も星野氏が姿を見せると当たり前のように始まり、当時のように話しました。

 星野氏が「こういうの、なんか懐かしいのう…」と言っていたのが面白かった。その後の五輪監督、楽天監督としても同様のことをしていたはずですが、その辺りが星野氏という人。当時の空気に浸っていました。

 昨年末のインタビューでも話していましたが星野氏の現在の夢は、かつて自身が監督として優勝に導いた阪神と楽天による日本シリーズです。

 昨年は「まだまだやろな」と言っていましたが、今季ここまでの両軍の戦いぶりを見れば、可能性はあります。

 「阪神は広島と、楽天はソフトバンクとマッチレースになるのかな。まあ分からんけどな。面白いよな。まあ8月の終わり頃になれば、分かってくるよ」

 星野氏は胸の高鳴りを抑えながらそう話しました。

 個人的に、この4球団だけの戦いになるとは思いませんが、どのチームにとっても熱いリーグ戦となることを、仕事上でも、フツーの野球好きとしても、強く願っています。