広島に優勝マジック「32」が点灯した阪神-広島16回戦(京セラドーム大阪)が行われた15日夜、広島緒方孝市監督が審判団から注意を受けました。

 テレビ画面に試合終了直後に杉永球審となにやら話す場面が映っていたので「なんだろう」と思ったファンもいたかもしれません。

 実はこれ、今季から導入されている「リクエスト制度」を巡る注意でした。

 阪神が4点を追う9回、1死一塁から1番糸原の打球はピッチャー返しになりました。これに広島中崎がグラブを出しましたがはじき、二塁の名手・菊池がカバー。一塁へ送球しましたが間一髪セーフになったのです。

 緒方監督はこのプレーにリクエストを要求。しかし判定は覆らず、セーフのままでした。正直「もうええやろ。広島の勝ちやで」と思いましたがその後に代打の切り札となった原口の代打適時打が出て、2点差になったのです。その意味では両軍にとっては重要なプレーだったと言えるでしょう。

 それはともかく、このリクエスト、要求の仕方が問題になったのです。規定では監督がベンチから出て、審判団に要求すると決まっているようです。しかし徐々にベンチから出るための階段部分に足をかけた状態のまま要求したり、あるいはベンチの中でジェスチャーのまま、ということもありました。

 このときの緒方監督もしっかりとベンチから出ずに要求したようです。

 審判団ではあらためてルールを徹底することを決め、状況に応じて通達、注意しています。「今回もそのケースだった」と試合後に丹波審判が明らかにしました。

 「以前にも少し言われていて。そういう意味では2度目だったので、申し訳ありませんと言いました。ルールですからね」。緒方監督もその場面を振り返って、こう話していました。

 優勝マジックもついたところで思わぬチェックが入った形ですが、もちろん広島の3連覇への歩みには何の影響もありません。

 野球ファンとしては少しでも広島を苦しめる戦いをセ・リーグ5球団にリクエストしたいところでしょうか。