約3週間にわたって開催された交流戦は6月25日の楽天-広島戦ですべての日程を終えました。

気の毒だったのは交流戦最下位に終わった広島でしょうか。当初、同15日の試合が雨天中止になって決まった予備日の24日も雨で流れ、結局、25日まで伸びました。28日からは横浜でリーグ戦再開のDeNA3連戦が待ちます。雨がなければ24日から4日間は地元で過ごせたはずなのに…、というところでしょうか。

05年にスタートした交流戦は球界再編の激動の中、新たなコンテンツをと、いうことで導入されたのは有名な話です。試合数など形を変えながら16年続いてきました。いろいろな意見はありますがプロ野球発展のために大事なイベントだと思います。

そこで早いのですが来年、あるいはいつかは期待したいことがあります。それは「沖縄で交流戦を開催してほしい」ということです。

それも1球団ではなく、数多く、できれば半分の6球団が相手を調整して沖縄で主催試合を行う。結果として12球団すべてがこの時期に沖縄に上陸してプレーするような形ができれば素晴らしいと思うのです。

2月の春季キャンプでほとんどの球団は沖縄にお世話になっています。公式戦はたまに開催されていますが、交流戦を、しかも数カードを続けてやれば、地元の方々も喜ぶだろうし、シーズン前の沖縄の新たな観光ポイントになるような気もします。

天候やそれに伴う日程、さらに観客動員の問題など乗り越えなければならないハードルはありますが、やってほしいと思うのです。交流戦期間中の6月23日は沖縄の「慰霊の日」でもあります。いろいろな思いを込めて、野球で沖縄に恩返ししてほしい。そう期待しているのです。

中日、阪神、楽天で監督などを務めた星野仙一氏もそういう考えを常々、強調していました。亡くなる2年前のインタビューでこんな話も聞きました。

「新球団を沖縄に持っていくんだ。いい球場をつくってな。そこで5年間は沖縄の選手を他球団はドラフトしない、地元優先、外国人選手をいっぱいとってきて。沖縄だけ助っ人6人までとか特例でな。そういう発想をせないかん。いびつでもいいじゃないか。7球団でもいい。奇数でもいいから増やした方がいいよ」

沖縄が大好きだった闘将はそんな話をして、なんとか沖縄と野球を結びつけようと意見していました。

普段のリーグ戦と違う味わいの交流戦を沖縄で。そんなことが実現すれば球界もまた楽しくなるのでは。交流戦が終わり、セ・リーグ、パ・リーグの戦いが始まるこの時期にそんなことを思っています。

試合後、勝利を分かち合う鈴木(中央)ら広島の選手たち(2019年6月25日撮影)
試合後、勝利を分かち合う鈴木(中央)ら広島の選手たち(2019年6月25日撮影)