クリスマスイブもクリスマスもなーんもない。ずっと昔はワクワクする予定もあったような気がするけど、つまらん大人になってしまったわ-。いっそのこと、クリスマスなんてなかったらいいのに。

 などと思っている人もいるのではないでしょうか。いませんか。いや、いるでしょう。きっと。私のように。

 今年、初めて国内フリーエージェント(FA)権を取得したある選手が言っていた。

 「正直、悩みますよね。普通に今の球団と契約すればいいんですけど、せっかく権利を取得できたんだし、何かしないといけないのか、とか考えてしまう。こんな制度、なければいいのに、とさえ思ったこともありましたよ」

 その点、オリックスからFA宣言していた金子千尋投手(31)はすごい。国内FA権はもちろん、球団に依頼し、ポスティング制度を併用するのでは、という過去に例がないケースになる可能性すらあった。

 結局、24日にオリックス残留という形で決着がつきましたが、このオフ、球界最大の話題として新聞紙面をにぎわせたのは間違いない。金子自身、この状況をたっぷりと味わったのでは? などと推測します。いわばクリスマスに予定が詰まって仕方がないという感じか。違うか。

 阪神とも直接交渉していたことは、フラれた形になった中村GMが明らかにしていましたが、いかんせん、交渉の機会をメディアに公開していないので、いまいち、盛り上がらん。昔はそういう場面でいろいろ話題になったのですが、これも今風ですかな。

 個人的に、FAで騒がれた揚げ句、古巣残留というケースはあまりいい結果に結びついていないようにも思うのですが、ともあれ、来季に注目です。