今年のゴールデンウイークは、早実(東京)の清宮幸太郎内野手(3年)の練習試合に密着した。4月29日の関東第一(東京)戦から、5月7日の魚津工(富山)まで計11試合。8本塁打とアーチを重ね、清宮のバットが光り輝いた黄金週間だった。この期間、清宮が放った本塁打の詳細を明記する。

 ◆関東第一戦(4月29日)

 2点リードの6回2死一、三塁、プロ注目の高橋晴投手(3年)から左中間に高校通算85号を放った。

 ◆宮崎大宮戦・2試合目(4月30日)

 右翼の防球ネットを越える“場外”本塁打を3発放ち、日本ハム中田翔(大阪桐蔭)超えの高校通算87号。

 ◆津田学園戦(三重=5月3日)

 0-0の4回無死、水谷カーブを右中間の防球ネットに突き刺した。2戦連続の1発で高校通算88号。

 ◆秋田中央戦・1試合目(5月4日)

 1回に右翼に高校通算90号の先制2ラン、2点を追う9回2死一、三塁では右中間の防球ネット越えの“場外”サヨナラ3ラン。

 ◆魚津工戦・1試合目(5月7日)

 2回に右翼の防球ネットを越える推定130メートルの“場外”弾を放った。高校通算92本目だった。

 見ての通り、8本塁打中5本が場外だった。実は他の3本も「打った瞬間、それと分かる1発」。記者を始めた頃、先輩から「そんな安易な表現は使わないように」と指摘を受けたが、清宮のアーチはその表現がピッタリだった。

 記者は昨年まで巨人、西武担当を計9年間務めた。今年からアマチュア野球を担当するが、プロ関係者から「清宮君はすごいの?」と聞かれる。スカウトのコメントでもそうだが、球場で清宮の本塁打を見た人なら分かる。飛距離、弾道、打球スピード。全てに度肝を抜かれる。清宮の本塁打は、見る人の心をワクワクさせる。【久保賢吾】