第100回全国高校野球選手権記念大会は、大阪桐蔭の史上初となる2度目の春夏連覇で幕を閉じた。大阪桐蔭の根尾昂内野手(3年)ら「銀河系軍団」の活躍、準優勝の金足農・吉田輝星投手(3年)の快投など、数々の名選手が記念大会を彩った。

 100回が終われば、101回に向けた戦いが始まる。すでに地方大会で敗れたチームは101回大会の優勝に向け、早々と始動。早実(西東京)和泉実監督(56)が「100回も大事ですが、101回も大事」と話したように、全国の球児が頂点を目指す。

 その第101回大会で注目される高校の1つが「剛腕トリオ」を擁する日大三(西東京)である。今夏の甲子園では、来秋ドラフト上位候補の井上広輝投手(2年)が自己最速を3キロ更新する150キロ。190センチ右腕の広沢優投手(2年)も、自己最速を2キロ更新する148キロを計測した。

 この2枚看板でも、ハイレベルだが、もう1人逸材が存在する。最速146キロの平野将伍投手(2年)。甲子園ではメンバーを外れたが、西東京大会ではチーム初戦の杉並戦に先発。小倉全由監督(61)が「打撃もいいんです」と投打ともに大きな期待を寄せる。

 「剛腕トリオ」は1年の冬、誓いを立てた。「3人で150キロを超えような」。真っ先に超えた井上は「3人で刺激し合っています。僕が150キロを出した時は広沢も喜んでくれたし、広沢が148キロを出した時は僕もうれしかったです」と笑顔で話した。

 現在、大学では東都リーグの東洋大に甲斐野央投手(東洋大姫路)、梅津晃大投手(仙台育英)、上茶谷大河投手(京都学園)の4年生「150キロトリオ」が注目を集める。高校で誕生となれば、“史上初”ではないだろうか。

 今夏、地方大会を含め、2年生投手が注目を浴びた。右腕では最速150キロの創志学園(岡山)西純矢、最速154キロの大船渡(岩手)佐々木朗希、最速150キロの星稜(石川)奥川恭伸、菰野(三重)岡林勇希。左腕では、最速152キロの横浜(南神奈川)及川雅貴の名が挙がる。101回大会の夏、誰が主役を飾るのだろうか。

【久保賢吾】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「野球手帳」)