今週は、うれしいことがありました!

 それは、3月11日、東日本大震災から4年目のこの日、ヤクルト由規選手がオープン戦ながら2試合連続無失点の好投をみせてくれました。

 11年9月に右肩痛を発症してから約3年半-。

 毎日、コツコツ重ねてきたリハビリ。その復活の日に3月11日のマウンドを選ぶなんて、由規君らしいなぁ~。

 東日本大震災の復興テーマソング「花は咲く」。

 皆さんも一度は聞いたこと、ありますよね?

 ワンフレーズずつ、著名人が歌っていたこの歌。

 唯一、野球選手がこのレコーディングに参加していたのを知っていますか? 

 それが宮城県仙台市出身の由規選手(ヤクルト・投手)でした。

 13年選抜、テーマソングに選ばれたとき、由規選手にその思いを話してもらったことがあります。

 「復興に際し、何かできることはないか、と常々、考えていたときにレコーディングに参加しないか、というお話をいただきました。僕自身、参加できてとてもうれしく思っています。この曲は、聴けば聴くほどぐっとくるものがあります。どうしても震災というと、悲しいシーンしか浮かばないのですが、この曲を聴いていると、心が癒されるというか…優しい気持ちになれるんです」

 ひと言、ひと言、かみしめるように。ゆっくりと言葉を選びながら話してくれました。

 そして-、この曲が選抜のテーマソングになったことに、「まだまだ復興までは時間がかかると思います。でも、選手たちのプレーは、被災地に勇気や感動を与えたでしょう。

ひたむきさだったり、逆境を乗り越えて出場し、頑張ってプレーしている姿であったり。

例え試合に負けたとしても、そんな姿を見せられた球児たちにとって、とっても意味のある甲子園だった。僕はそう思います」

 当時はこう話していたけど、今年3月11日に登板した姿を東北の方々に見せられたこと。誰よりも勇気と感動を与えたでしょう。ただの復活登板じゃない。意味のあるマウンドだったと思います。

 12年、被災地石巻市からセンバツ出場を果たした石巻工の松本嘉次監督は、「動けば変わる」と話していました。

 今年2月22日の日本ハムとのオープン戦、そして3月11日のマウンドに上がった由規君の野球人生も再び動き出し、これから新たな光に向け変わって行くのでしょう。

 昨年、寮にいくといつも1人、黙々とリハビリとトレーナーの治療を受けていた由規君。

昨年6月14日にイースタンリーグ・チャレンジマッチのフューチャーズ戦で792日ぶりの登板を果たした後、取材をもちかけたら、「本当の意味での復帰はしていないから、ごめんなさい」と、笑顔で答えてくれたっけ。

 -目指すは1軍のマウンド。それが本当の復帰-

 笑顔の中に、そんな強い意志を感じました。

 由規君、おかえりなさい。そして…これからも、頑張ってね!!