東海大相模、仙台育英。ともに、今大会、担当していたチーム同士の対戦で、複雑な気持ちでいっぱいの決勝戦でした。

 今年の東海大相模は、本当に強かった! 「1点にこだわる野球」を徹底的に追及し、追い込んできた選手たち。選手たちはいとも簡単に「1点にこだわって」「ここまで練習した」などと話してくれますが、そこには去年から何度も何度も経験したたっくさんの悔しさが詰まっていること。試合での常に前へ前へと攻めていくその姿を見て感じました。点差が離れようと、追いつかれても、なお攻める姿勢がチームのテーマ、「アグレッシブベースボール」の完成形。それが決勝戦、9回表の攻撃に表れていたように思います。今日の試合後、今まで見たことのない笑顔を見た時に、これまでの緊張と背負ってきた重圧感。選手1人1人の大きな覚悟を感じました。東海大相模のみんな、優勝おめでとう!

 さて、敗れた仙台育英。本当に粘り強い試合を見せてくれました。6点を追いついた時、球場全体が仙台育英を応援する声に変わり、胸が熱くなりました。

「悔しいけど、今日の試合は楽しかったです!」と佐藤世那君(投手・3年)が最後に言った言葉。見ている方も、心に残る試合でした。みんなの粘り強さ、あきらめない気持ち。そして…どんな時も明るく笑顔! いつまでも忘れません!

 今日、仙台育英のアルプスにはたくさんのOBが集結しました。私もちょっとお邪魔して、懐かしい再会に。

 佐々木監督はよく「いいオヤジになりなさい」と言います。OBの遠藤匡さん(平成12年度卒業、99年第81回選手権大会出場)は言います。

「今日、甲子園に応援に来て、久しぶりに先輩たちに会ったんですが、みなさんいくつになってもかっこいいですね。オッサンになって関係性は変わるけど、昔よりも打ち解けていて。みんないい顔をしているんです。そんな先輩たちの顔を見られただけでも、今日は本当に来てよかったな~って思います。自分? はい、いいオヤジになっていますよ(笑)」

 そう言って、カッコよく笑ってくれました。

写真左から遠藤匡さん(平成12年度卒業、99年第81回選手権大会出場)と佐藤拓磨さん(平成14年度卒業、01年第73回センバツ準優勝、第93回選手権大会出場)
写真左から遠藤匡さん(平成12年度卒業、99年第81回選手権大会出場)と佐藤拓磨さん(平成14年度卒業、01年第73回センバツ準優勝、第93回選手権大会出場)
OB大集合~! みんないいオヤジ!? いや、いい笑顔してます!
OB大集合~! みんないいオヤジ!? いや、いい笑顔してます!

 決勝後、選手たちにも聞いてみました。将来かっこいいオヤジになれそうかな?

「もし子供ができたら、自慢します。オヤジはこういう経験をしたんだぞって(笑)」(佐々木柊野君)

「これだけの素晴らしい経験をして、もし、将来、自分に子供ができたら伝えたいことが山ほどあります。このチームやってきてよかったと思えているので。それを自分のこれからに生かして。いいオヤジになりたいです」(本田雄太君)

 甲子園の決勝であと一歩届かなかった優勝。その悔しさをバネに次の世界へ。仙台育英の選手たち、きっとカッコいいオヤジになるだろうなぁ…。

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