「信頼しているからな!」

 試合後、善波監督は中村奨吾選手(早大・4年)とガッチリ握手を交わしました。

 大学日本代表は、7月12日(日本時間13日)、チャイニーズ台北と予選2戦目を戦い2対0で2連勝をあげました。

 両チームともに決定打が出ないまま得点ボードに並ぶ0。その均衡を破ったのは、中村選手(早大・4年)の一打でした。

 8回裏、先頭の佐藤拓也選手(立大・2年)がセンターの頭上を越える二塁打を放つと、北村選手(亜大・3年)のバントと茂木選手が四球で歩き1死一三塁。迎えたバッターは、昨日もタイムリーを打った中村選手。

 「タイミングさえ合っていれば打てる。今日も3打席目が良くなかったので(キャッチャーフライ)、すぐに修正して打席に立つことができました」

 大きく振り抜いた打球はライト線を破る三塁打に。この一打で2点を返し試合を決めました。

 まさに、善波監督の「信頼」に応えた一打でした。

2連勝し笑顔の中村奨吾選手(左)と山崎康晃選手
2連勝し笑顔の中村奨吾選手(左)と山崎康晃選手
8回裏、2点適時打を放つ中村選手。今や大学全日本の頼れる4番です
8回裏、2点適時打を放つ中村選手。今や大学全日本の頼れる4番です

 投げては先発の浜田智博選手(九産大・4年)が7回1/3を3安打に抑える好投。8回エラーで出したランナーを送りバントと一ゴロで二死三塁のピンチを迎えると、マウンドには大学日本代表の守護神、山崎康晃選手(亜大・3年)がマウンドへ。ツーシームで三振に抑えピンチを切り抜けると、9回表も0点に抑えゲームセット。

 「ランナーが出てからが強く、丁寧に投げることができる。リリーフにはもってこいの感覚。信頼できますね」と、これまた善波監督。

 昨年の日米大学野球選手権大会でも、日米野球で4試合6回1安打9三振無失点で最優秀投手にも選ばれ、今や善波ジャパンには欠かせない存在なのです。

 「抑えを任されている以上は、自分の本当に自信のあるボールで投げようと思っています」

 ピンチにも臆せず、迷ったら自信のあるボールを思いきり投げ込む。今日の試合、8回表の三振、9回、最後のバッターを遊ゴロに打ち取った球はいずれもツーシーム。

 「一番自信があるのはストレート。そこをうまく生かすことができたのが今日のツーシーム。練習通りに投げられました」

 6月に行われた全日本大学野球選手権では優勝候補と期待されながらも初戦敗退。チームのエースとして、ひょっとしたら自信を無くしているのかも? と思っていたところでの、堂々のマウンド。

 「チームのピンチの場面を任されてマウンドに立てるというのは、自信になります」(山崎選手)

 1球1球丁寧に投げ込むその表情は、強く、そしてたくましさを感じるものでした。

8回表、2死三塁のピンチを三振で抑えた山崎選手
8回表、2死三塁のピンチを三振で抑えた山崎選手

 「今日はよくみんなで勝ちました。2戦ともに粘り強く勝てた。少しずつ全体のバランスもよくなってくるでしょう。これからも、1戦1戦、粘っていきたいですね」(善波監督)

 2連勝と波に乗る大学日本代表。予選第3試合は14日(日本時間15日)、オランダと戦います。

試合後、ハイタッチする選手たち
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選手と同じランチをいただきました。紙袋の中には、これだけの食べ物が…
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日本代表、球場では地元の子供たちにサイン攻めにあい大人気
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