「菅生のしんちゃん」が、推定130メートルの特大場外“センターサークル弾”で、サッカーの町をびびらせた。21日のセンバツ1回戦で大阪桐蔭と対戦する東海大菅生(東京)は14日、静岡市で浜松開誠館、東海大翔洋(ともに静岡)と練習試合を行い、投打でプロ注目の勝俣翔貴投手(3年)が2本塁打と大暴れした。

 衝撃の1発が飛び出したのは、第1試合浜松開誠館戦の第1打席。2ボールから内角寄りの直球を振り抜くと、打球は95メートル先にある約10メートルの右翼ネットを軽々と越えた。隣接するサッカー場のセンターサークル内に着弾。「ちょっと上がりすぎたかなと思いました」とニヤリ。練習中だった本場静岡のサッカー部員もびっくりの特大先制ソロで、13-0の大勝に導いた。

 センバツの対戦相手が決まったばかりの中、大阪桐蔭のエース田中誠也投手(3年)と同じ左腕を攻略。「いい練習だと思って、思い切り踏み込みました」。第2試合の第4打席は、3球団スカウトの前で、バックスクリーン右にたたき込んだ。これで練習試合解禁後3本目で、高校通算18号。元中日の東海大菅生・若林弘泰監督(48)は「2本とも飛距離があった。打球が上がるようになった」と喜んだ。この日の登板はなかったが、絶好調のバットが、大物食いを現実にする予感十分だ。【前田祐輔】