強敵撃破で、センバツ初Vに王手だ。第87回選抜高校野球(甲子園)に北海道代表で出場している東海大四は、今日31日の準決勝(午後1時半開始予定)で、2年ぶりの優勝を目指す浦和学院(埼玉)と対戦する。全3試合で登板し4強入りの原動力となったエース大沢志意也(3年)も、決戦へ向け準備を完了。昨秋の明治神宮大会で完敗した相手に雪辱し、道勢52年ぶりの決勝進出を狙う。

 真っ向勝負で、強敵に挑む。前日29日に、相手の裏をかく投手起用で4強入りを決めた東海大四の大脇英徳監督(39)は「奇策は…もう、ないです」と両手を広げ「みんな浦和学院が勝つと思っている。それが狙いです」と苦笑いした。チームは30日、高槻市萩谷総合公園野球場で、左腕2枚を想定したフリー打撃や守備練習など、約2時間のメニューを消化。24時間後に迫った決戦へと備えた。

 昨秋の明治神宮大会で0-10の6回コールド負けを喫してから、浦和学院は常に目標の存在だった。グラウンドが雪に閉ざされた冬、基本の反復や体力づくりなど地道な練習に耐えてきたのも、すべては再戦の日のためだ。「借りを返したい」と宮崎隼斗主将(3年)。大舞台で得た絶好の機会を、みすみす逃すわけにはいかない。

 雪辱戦のマウンドは、1回戦から全3試合に登板しているエースに託した。準々決勝後に右肩の痛みを訴えた大沢だったが、一夜明けて「肩の張りは全然ないので、万全の状態で投げられるかなと思う」と、ブルペンで捕手を座らせ19球を投げた。甲子園で投げるたびに、たくましさを増す右腕は「あの試合がなければ、今まで頑張れなかった。秋はすごく打たれたので、出来るならノーヒットで抑えたい」と、一世一代の投球で、14安打10失点した悪夢を一掃する意気込みだ。

 春夏の甲子園で、道勢は埼玉勢に4連敗中で勝ち星がない。「(明治神宮大会で)10点取られても大沢を代えなかったのは、明日のためだったと思って戦う。1度対戦しているので、やりづらさはない」と、大脇監督。勝てば、センバツでは準優勝した63年北海以来、道勢2度目の決勝進出。リベンジ・マッチを制し、成長の証しを聖地に刻む。【中島宙恵】

 ◆北海道勢の未勝利県 46都府県で春夏通じて未勝利の相手は、埼玉のほか茨城、栃木、石川、高知、熊本の計6県。最も対戦数が多いのは高知県勢で、66年春に室蘭工が土佐に2-10で敗れて以降、11年夏の北海が明徳義塾に敗れるまで8連敗中。埼玉と並び熊本県勢にも4連敗中。