2代目校長監督の草野裕樹新監督(64)が率いるPL学園が18日、春の公式戦初戦を7回コールド勝ちで飾った。初回に辻涼介外野手(3年)の2ランで先制し、4-1の6回に5点を奪った。草野監督は着任後、練習試合も含めて初のベンチ入り。「ぶっつけ本番です」と苦笑いも、自らサインを出して作戦を指示。6回は「試合状況、点差を考えて」と7点目につながる二盗も成功させ、部長で09年春夏甲子園に出場した経験を初采配で発揮した。

 インド人の父を持つプロ注目の大砲グルラジャニ・ネイサン内野手(3年)ら力のある選手はいるが、新入部員の募集停止で現部員は2、3年生32人だけ。野球部存続に直結する部員募集再開について、具体的なメドは立っていない。募集を再開しない限り、来夏に廃部の危機に直面する。

 春夏甲子園7度の優勝を誇る野球部が危機的な状況に追い込まれたのは、13年2月末の部内暴力がきっかけ。新監督は「これから(部を)立て直していかなければいけないし、コツコツやっていきます。野球は教育の一環。1人1人がPL学園生としてちゃんとやっていけば、おのずと道は開けます」と強い覚悟で陣頭指揮を執る。【堀まどか】