ノーシードの佼成学園がセンバツ出場の東海大菅生を破り、4年ぶり3度目の関東大会出場を決めた。身長168センチのエースで主将、小玉和樹投手(3年)が殊勲の完投勝利。3番一塁で出場したドラフト候補の勝俣翔貴投手(3年)を4打数無安打に抑えた。打線も3番中嶋瞭内野手(2年)のソロなど8得点。

 小さな大エースの誕生だ。最後の打者を中飛に打ち取ると、小玉は両手を天高く突き上げた。「選抜に出た高校に勝った」と喜びを爆発させた。最大の勝負どころは7-5と迫られた7回裏。2死一、三塁で打者は勝俣。投球ごとに左足を引き上げる高さを変えてタイミングを外した。最後は最速141キロを誇る内角直球で二ゴロ。「この冬の成果です」と胸を張った。

 昨秋の都大会2回戦で都篠崎に0-7の8回コールド負け。直球一辺倒の投球を攻略された悔しさからシンカーを覚え、リズムを変える新スタイルに挑んだ。「秋は1人で勝とうとしていた。それじゃダメだった」と努力を実らせた。

 小児ぜんそくで入退院を繰り返した幼少期がうそのような113球の大熱投。母の直美さん(45)は「昨秋『俺が母さんを関東大会に連れて行く』と。まさか本当に…」と感激する。小学2年で抱いたプロの夢を諦めたことは1度もない。小さな体に大きな志。次の大舞台でも輝いてみせる。