準々決勝4試合が行われ、今春センバツ出場の静岡(推薦)は、およそ1年ぶりの公式戦先発となる村松遼太朗(3年)が2安打完封の好投を見せ、浜名(西部5位)を6回コールドで下し4強入りした。今日3日に行われる準決勝で東海大会出場2校が決まる。

 静岡の村松は、昨年5月3日の県大会準々決勝浜松工戦以来となる公式戦の先発マウンドに上がった。「低めを意識して、コーナーをついて打たせて取れた」。前回は5回途中で降板したが、この日は無失点のままマウンドを守った。

 村松はセンバツ準々決勝の敦賀気比戦で3回から登板した。9回にサヨナラ打を浴びたが、中学時代からの知り合いである相手主将の篠原涼から「お前が一番打ちにくかったよ」と、連絡が来たという。結果的に敦賀気比が優勝しただけに村松は「あの舞台は自信になった」と振り返った。

 センバツ後の投球練習では、打者を立たせ、低めの目印となるゴムひもを「センバツ後よりもさらに」低くした。「浮き球が減った」とサヨナラ負けにつながった失投の反省を生かしている。味方が初回に4点を先行したこともあり「余裕ができた。先発マウンドは気持ちがいい」と話した。

 公式戦の連投経験はないが、東海切符のかかる藤枝明誠との一戦にも村松は「行けます」と頼もしかった。栗林俊輔監督(42)は「1年の面倒を見るようになったし前よりもよくなった」と評価する。4年連続の東海大会へ、村松がチームを導く。【加納慎也】