今春センバツ4強の浦和学院が、川越東との埼玉勢対決を制して2年ぶり5度目の優勝を飾った。先発した背番号10の小倉匡祐投手(3年)が、5安打無四球2失点で完投。エース江口奨理投手(3年)との左腕2本柱が完成し、小島和哉投手(現早大1年)を擁してセンバツ初優勝した12~13年以来の関東大会秋春連覇をつかんだ。

 もうエース1人に頼らない。小倉は2回の本塁打と9回の犠飛で2点を失ったが、最後までマウンドに立ち続けた。18日の前橋育英(群馬)戦で完封目前の9回2死から2失点で降板した悔しさを晴らした。前日の準決勝で東海大相模(神奈川)を12三振完封した江口に刺激を受けた172センチ左腕は「江口だけじゃない、というところを見せたかった」と汗をぬぐった。

 今春最大のテーマは「投手陣の底上げ」だった。センバツを制した13年、エース小島に次ぐ投手を確立できず、夏の甲子園は11失点で初戦敗退。チームの誰もが「夏は1人では勝ち抜けない」と痛感した。県大会から結果を出し続けた小倉は「(森監督から)2番手以降が大事だと言われてきた。もっと体力をつけて甲子園で投げたい」と意気込んだ。

 関東制覇は春秋通じて10度目。今夏限りで勇退する横浜(神奈川)の渡辺監督が積み重ねた9度(春3、秋6)を上回った。森監督は「どんな形でも優勝したかった。渡辺監督に恩返しがしたい」と言った。現チームは昨秋から対関東勢21連勝。江口、小倉の左腕2本柱を手に入れた浦和学院が、悲願の夏日本一へ突き進む。【鹿野雄太】