角館がタイブレークの延長10回で秋田中央にサヨナラ勝ちして準決勝進出を決めた。

 昨夏甲子園初出場の角館が、両チーム合わせて27安打の打撃戦を制した。毎回の計15安打。2点を追う土壇場9回裏に同点とし、タイブレークの延長10回裏無死一、二塁から1番高橋杏一主将(3年)の右越え打で勝負を決めた。高橋杏は「つなぐ気持ちで積極的に狙った。自分の一打というよりも角高の執念」と胸を張った。

 昨夏のレギュラーは3番小木田敦也(2年)だけ。だがチームは、コールドのない甲子園で最後まで諦めない姿勢を学んだ。2点リードの8回表に4失点したが、チーム一丸で攻める気持ちを貫いた。湯沢淳監督(39)は「必死に食らいついて、つないで走った」と粘りを評価した。創部85年目で、春は初の東北大会出場に王手をかけた。高橋杏は「去年の先輩たちを超せるように経験値を上げ、全国で勝てるようにしたい」と春初制覇と夏連覇を目標に掲げた。【佐々木雄高】