仙台育英(宮城)の佐藤世那(3年)が初戦で散った。立ち上がりから3イニング連続の3者凡退で勢いに乗ったが、4回につかまった。決め球フォークを見極められ、6安打を浴び5失点。「狙い球が絞られていた。ここぞという時に振ってくれなかった」。続く5回にも2点を失い、4回2/3を8安打7失点3奪三振で降板した。

 新チーム結成以降ワーストの7失点に沈んだ。初回こそ143キロを計測したが、体が開いて腕が振れず、回が進むにつれて球威は落ちていった。「球速は見てない。ボールがバラバラ。コントロールが定まらなかった。何とかしよう思ったけど、立ち直ることができなかった」。佐々木順一朗監督(55)も「(球が)はっきりしている。ゲームを崩している」と厳しい表情だった。

 昨秋の神宮大会直後に発症した右肘の違和感を乗り越え、センバツ初戦の神村学園(鹿児島)戦では6安打完封。春の宮城県大会準決勝でも14奪三振完投。上向き調子の中でのまさかの初戦敗退に「今の実力が今日だということ。もう、ああいう投球はしない」。最大目標とする最後の夏へ。剛腕はこの敗戦を糧として、さらなる高みを追い求め続ける。【高橋洋平】