“ハマの球児”が神奈川の主役に躍り出る。第97回全国高校野球神奈川大会(7月11日開幕)の組み合わせ抽選会が13日、横浜市内で行われた。全国最多186校が参加する最激戦区の急上昇株は、横浜創学館の望月惇志投手(3年)だ。身長187センチから投げ下ろす最速148キロの直球に、プロのスカウト陣も熱視線を送る。2回戦(16日、横須賀スタジアム)で津久井-二宮の勝者と対戦する。

 最速148キロ右腕の望月が、今夏の目標を宣言した。「150キロを出して甲子園初出場を目指したい」。

 187センチの長身から投げ込む真っすぐが最大の武器だ。昨秋の県大会では3回戦の南戦で16奪三振。右腕を地面にたたきつけるようなフォームは、先日独立リーグの四国アイランドリーグplus高知に移籍した藤川球児投手(34)を手本にする。「藤川さんみたいな打者の手元で浮き上がる直球の軌道に憧れます」と動画を見て研究する。

 自慢の直球の速度は今年に入って5キロアップした。対外練習試合解禁の3月8日、いきなり最速を1キロ更新する144キロを出すと、4月2日の練習試合で148キロを計測した。「去年より勢いが良くなったとは思いましたが、まさかこんなに速くなるとは」と驚くがエースナンバーをもらった昨秋以降、自覚が芽生えたのが大きな要因だ。

 昨年12月から週4回ジムに通い始めた。米飯は1日10合を目標とし、練習後は炊飯器ごと抱え込んで熱々の3合飯を胃に詰め込んだ。体重はひと冬で5キロ増え84キロになった。「去年着ていたポロシャツがきつくなりました」。パワーアップが球威につながった。

 5段階評価の通知表では12科目中10科目で「5」を取る秀才だが、夢は「プロに行くことです」。そんな右腕が「気にはなります」と話すのが東海大相模の小笠原、吉田の両ドラフト候補の投手。勝ち進めば準々決勝で当たる。「優勝するには倒さなければいけない相手。まずは1試合ずつしっかり戦っていきたいです」。藤川ばりの「火の玉ストレート」で神奈川の主役の座を奪う。【和田美保】

 ◆望月惇志(もちづき・あつし)1997年(平9)8月2日、横浜市生まれ。5歳で野球を始め投手兼遊撃手。芹が谷中では横浜南ボーイズに所属し中学2年から2年連続でボーイズ全国大会に出場。横浜創学館では2年春からベンチ入りし同年秋から「背番号1」。好きな食べ物はチンジャオロースで、嫌いな食べ物は貝類全般。家族は両親と兄2人。187センチ、84キロ。右投げ右打ち。