東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の影響を受けた福島県双葉郡の人材育成を目指し、今春開校した県立ふたば未来学園高校(同県広野町)の野球部が、夢の甲子園へ「最初の1歩」を踏み出す。

 学校創設に尽力した小泉進次郎・復興政務官 高校球児だった僕からしても、学校創設初年度の甲子園挑戦は、計り知れない喜びと重圧があると思う。世界の誰もが経験したことのない災害を乗り越えて入学し、大会に臨む1人1人の精神力は、結果はどうあれ、日本一。一球入魂、迷った時はフルスイングの心境で、全力を尽くしてほしい。僕は今でも「あの時なぜ、三振を恐れてフルスイングしなかったのか」と、うまくいかなかった時のことを思い出す。思い切った上での結果なら、納得できる。思い切って挑戦してほしい。

 ◆双葉郡内の県立高校の経緯 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生前、双葉郡(8町村)内には双葉高(双葉町)富岡高(富岡町)双葉翔陽高(大熊町)浪江高(浪江町)浪江高津島校(浪江町)の5校に計1500人の生徒がいた。全生徒が避難を余儀なくされ、11年5月から避難地域以外の県立高校の空き教室などで「サテライト方式」の授業を実施してきた。昨年度の5校の生徒数は計337人まで減少した。本年度からふたば未来学園が開校し、5校は募集を停止。5校は現在の2年生が卒業後の17年4月に休校になる予定。