日立北(茨城)のエース青柳淳之介投手(3年)が最後の打者から三振を奪うと「よっしゃ」とほえた。初回こそ2安打を打たれ23球を費やしたものの、その後は省エネ投球で9回を113球。6安打無四球7奪三振の完封ショーでチームを2回戦へ導いた。「今日の出来は70%くらいです」と話すように本調子ではなかった。だが、要所でボールを低めに集め得点を許さなかった。圧巻は4回だった。初回に連打を許しているクリーンアップ相手に最速137キロ直球とスライダーのコンビネーションで3者連続空振り三振に斬ってとった。

 青柳にはこの日の勝利を届けたい仲間がいた。3年生で唯一ベンチ入り出来なかった渡辺浩太内野手だ。5月下旬のシートノック中に右足のすねを骨折し、今でも骨を固定するためのボルトを入れている。前日、渡辺からLINEで「お前に任せた」とメッセージが届いた。「あいつの分まで頑張ろう」と、この試合では渡辺のバッティンググローブをつけて臨み、2回には犠打も成功させた。次戦は優勝候補の常総学院だ。昨秋、今春と2季連続県大会を制覇しているが「相手がどこでも全力を出し切るだけ」と力強かった。【倉田祥太】