県内最速の再現だ! プロ注目右腕、日大三島の小沢怜史投手(3年)が浜松開誠館との開幕戦に先発し、初回に昨夏以来となる148キロを計測した。自己最速の更新はならなかったものの140キロ台を連発しチームに勢いをつけ、緊張の大舞台を制した。19日の2回戦では優勝候補の静岡と激突するだけに、弾みをつけた形となった。

 日大三島の小沢は、球場につめかけた多くの人の期待に応えた。

 1回表に2点を先制し小沢がマウンドへ。投球練習から球速表示は140キロ台を示していた。注目の初球は131キロも2球目は145キロ。146キロの見逃し三振スタートを切ると、2死で迎えた5球目に148キロで見逃し三振を奪った。球場がどよめき、バックネット裏に集まった11球団30人ほどのプロスカウトに見せつけた。

 小沢 去年の夏はボールだったけど、今年はストライク。そこが成長かな。

 先制打の小鹿智良(ともかず=3年)からは「150キロ出せよ」というリクエストに「148を出すよ」と返していたが、序盤から直球が走り、変化球も効果的だった。受けた浜口大雅捕手(3年)は「ブルペンから調子がよかった」と驚く様子もなかった。

 昨夏に県内最速をたたき出してから1年がたった。楽天の山田潤スカウトは「昨夏からの伸びはゆっくりだったけどイメージ通り」と成長を評価していた。開幕戦という独特の緊張感の中でも実力を発揮する体と心の強さも示した。148キロのボールは指にかかり手応えがあったという。小沢も「今年一番の投球だったと思う」と納得していた。

 次戦の2回戦では、静岡との大一番を迎える。昨秋は県、東海とそれぞれ準決勝で対戦しいずれも打ち込まれコールド負けを喫している。小沢は「最後のチャンスなんで勝てるように」と静岡へのリベンジを誓うとともに、「しっかり準備すれば出るかも」と大台の150キロについても言及した。【加納慎也】