「三高のケンシロウ」が、圧倒的なパワーを見せつけた。日大三の川崎拳士朗内野手(3年)が、推定130メートルのバックスクリーン弾を含む2打席連続本塁打でチームを10年連続の4強入りに導いた。日大鶴ケ丘との4回戦(八王子市民)では場外弾を放った右の大砲は「神宮でのホームランは気持ちよかった」。今大会3発目、高校通算12本目のアーチに笑顔を見せた。

 漫画「北斗の拳」の主人公から取った名前のとおり、強烈なパンチを次々と浴びせた。第1打席は左中間席中段へ、第2打席は「完璧でした」と直球を弾丸ライナーでバックスクリーンにたたき込んだ。182センチ、96キロの巨体、チーム一の72センチの太ももを持つ男の2発でKOした。

 右肘の遊離軟骨手術、右足小指骨折などケガも乗り越え、昨秋からベンチ入り。今大会は4試合で3本塁打9打点の大活躍だ。明日24日の準決勝では、昨秋都大会1回戦で3-10のコールド負けを喫した早実と対戦する。「3年間の思いをぶつけて、あと2つ全力で勝ちたい」。遅れてきたスラッガーが、怪物ルーキー清宮を倒して2年ぶりの甲子園に導く。【鹿野雄太】

 ◆川崎拳士朗(かわさき・けんしろう)1997年(平9)9月7日、東京・大田区生まれ。5歳から蒲田コンドルズで野球を始める。大田蓮沼中では川崎中央シニアに所属。3年春に関東大会3位。日大三では2年秋から背番号3でベンチ入り。高校通算12本塁打。家族は両親と兄、姉。182センチ、96キロ。右投げ右打ち。血液型O。