2年生エースで3季連続の甲子園だ-。全国高校野球選手権大会(8月6日開幕、甲子園)静岡大会で、静岡が村木文哉投手(2年)の粘投で飛龍を下し、同校としては戦後初となる3季連続甲子園出場を決めた。11安打を浴び3度の満塁のピンチを背負ったが142球を投げ抜き1失点完投。センバツ8強右腕がエースの誇りを見せた。

 村木が両腕を上げて仲間と喜びを分かち合った。5-0で迎えた9回に1死満塁とされ1失点。それでも「5点もありましたから」と慌てなかった。最後の打者を二ゴロに仕留め「もう1回甲子園に行けると思うとうれしい」と笑顔を見せた。

 創部100年を超える旧制中学時代からの伝統校。そのエースを任されている。昨年は入学早々に先輩投手陣に交じって練習。同期が先に練習を終えても走り、ピッチングをたたきこまれた。

 昨夏の準々決勝で公式戦初登板し8回無失点。出番はなかったが昨夏の甲子園もベンチに入った。昨秋からエースとなった村木は「去年は打撃が弱かったけど(昨年エースの)辻本さんが頑張って投げていた。今は打ってもらえるので」と去年との違いを強調した。

 センバツでは2試合を完投も、準々決勝の敦賀気比戦は2回でKOされた。春からの成長について村木は「変化球でカウントが取れるようになった」と話した。140キロを超える直球に落差の鋭いフォーク、緩急のカーブに芯を外すツーシーム。村木は「打たれるのは仕方がない。四球は流れが悪くなる」と今大会は5試合に登板し40イニングでわずか5四死球に抑えた。

 伸びしろのある2年生投手にプロも注目している。観戦した日本ハム熊崎誠也スカウトは「大会でも上位の投手になると思う」。村木は「センバツは悔しい思いをしたので…」。準々決勝で敗れた敦賀気比への雪辱を誓った。【加納慎也】

 ◆静岡 1878年(明11)静岡師範学校中学課として創立。全日制で979人(女子は425人)。野球部は1896年(明29)創部。甲子園は昨夏、今春に続く3季連続で、夏は2年連続24度目。春は15度。主なOBに日本ハム増井浩俊投手ら。所在地は静岡市葵区長谷町66。鳥居春仁校長。

◆Vへの足跡◆

2回戦5-2日大三島

3回戦3-1清水西

4回戦11-1浜松大平台

準々決勝19-3三島南

準決勝10-5静岡商

決勝5-1飛龍