今夏150キロをたたき出した東海大相模のドラフト1位候補左腕・小笠原慎之介投手(3年)が、スピード封印で完封宣言だ。

 ラストサマーの幕開けは、9年連続12度目の出場を果たした甲子園の常連校、聖光学院になった。「びっくりです。走り回ってきて守備が堅いイメージです」。2年前に練習試合を行ったが、当時1年生で勝ち負けの記憶はない。

 最近の戦いぶりから正直な感想が口をついたが、エースの自信は揺るぎない。「スピードは興味ない。120キロでも打たれなければそれでいい。スピードより、打たれない真っすぐを投げたい。それで結果的に完封できれば」と勝つための投球に撤する。

 昨夏の借りを返す。盛岡大付(岩手)相手に2番手で救援。6回途中からマウンドに上がり1回1/3を無失点に抑えたが、3-4の1点差で敗れた。「登板して流れを変えることができなかった。もっと投げられたら良かった。悔しさしかないです」。昨夏以降は嫌いなランニング量を増やし、減量にも取り組んできた。

 2日の大阪入り後は、名物のたこ焼きも“封印”し、体重を管理。第7日の初戦に備え、もう1度体を追い込むつもりだ。「結果を残さないといけない」。背番号1の誇りとともに、日本一の称号を手にする。【和田美保】