29年ぶり2度目の三沢商(青森)は、第6日第4試合で花咲徳栄(埼玉)と対戦。得意の“私立食い”で甲子園初勝利を狙う。

 甲子園でも再び「私学の壁」を破る。青森大会の準々決勝で弘前学院聖愛を、決勝で八戸学院光星の私立2校を破った三沢商が、埼玉の私立校・花咲徳栄と激突する。今大会、背番号10から1に昇格した右横手投げのエース野田海晴(3年)は「燃える材料」と言った。

 29年前に選手として出場し、開幕戦で敗れた浪岡健吾監督(46)は「出た時は初日で終わったので、6日もいられる」と期間が空いたことを歓迎した。その一方で「聖愛、光星を倒したのは自信につなげていきたい」。激戦区・埼玉を勝ち抜いた強豪撃破へのプラス材料にする。

 全員野球だ。鍵を握る選手を問われた浪岡監督は「鍵が毎回違う。合鍵を使っても合わない」と独特の表現をした。笑顔であきらめない野球でつかんだ2度目の甲子園切符。野田は「いつも通りやれば勝てる」と大舞台でも、らしさを貫く。

 青森の公立校が甲子園の土を踏むのは19年ぶりで、勝てば91年の弘前実以来24年ぶりとなる。「寒さを実感して、しっかり寒さに慣れてきた」と、大阪の猛暑を地元の寒さに言い換えた浪岡監督。大会第6日の11日は、全国1勝で暑さが熱さに変わる。【久野朗】