戦後最長9年連続出場の聖光学院(福島)は、大会第7日の第1試合でいきなり優勝候補の東海大相模(神奈川)と激突する。ドラフト候補ダブルエースを擁する強敵に「ルーズヴェルト・ゲーム」の勝利を目指す。

 聖光学院の相手は、左腕小笠原慎之介、右腕吉田凌(ともに3年)の最速150キロ超2投手を擁する東海大相模に決まった。9年連続12度目と甲子園常連の斎藤智也監督(52)も「とりあえず参った。タレント的には大人と子どもの差」と苦笑い。だが「ひとつ乗り切ることができたら怖いものが無くなる」とニヤリ。現段階では評価は圧倒的に東海大相模が上。それをひっくり返し、逆に力にするつもりだ。

 勝つために参考にするのが「ルーズヴェルト・ゲーム」。昨年放送されたドラマで描かれた社会人チーム「青島製作所」のように、取られたら取り返す。8-7で泥臭く勝つイメージだ。チームは7月31日、福島から大阪への11時間のバスの中で全9話を寝ずに鑑賞してきた。

 三浦陸主将(3年)は逆境を乗り越え勝利するチームの物語に「聖光学院の野球だ!」と感動。「自分たちは点差を付けて勝つチームじゃない。最後の最後まで分からないのが野球」。斎藤監督も「吉田、小笠原から7、8点取ったときに初めて勝つ可能性が出てくる。そこに向かっていく」と力強く宣言。甲子園を盛り上げる「ルーズヴェルト・ゲーム」で、強敵を打ち負かす。【高場泉穂】

 ◆ルーズヴェルト・ゲーム 「一番面白い試合のスコアは8対7」という、第32代米国大統領フランクリン・ルーズベルトの考え。池井戸潤氏による社会人野球を題材にした同名の小説があり、14年にはTBS系でテレビドラマ化された。