1次リーグA組の日本がオーストラリアを破り、3連勝を決めた。
先発した夏の甲子園優勝左腕の東海大相模・小笠原慎之介投手(3年)が、9三振を奪うなど6回1失点と好投。
打線も6回に4点、9回に5点とつながり大勝した。
- オーストラリア最後の打者をしとめ笑顔でタッチする高橋純平(中央)(撮影・奥田泰也)
A組:日本-オーストラリア
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日 本 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 5 | 10 |
豪 州 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
【豪】バレット、ヘンドリクソン、ローリンソン、ウィリアムズ
【日】小笠原、高橋樹、高橋純
<1回表 日本>
1番オコエが初球打ちで一ゴロに倒れるなど、積極的な攻撃を仕掛けるが、阪神メッセンジャーのようなフォームで長身から投げおろすオーストラリア・バレットの前に3者凡退に終わる。
- オーストラリア先発のバレット(撮影・奥田泰也)
<1回裏 オーストラリア>
日本の先発は東海大相模・小笠原
1番バンカンに対し、ストレート2球で追い込むと外角いっぱいに138キロ直球が決まり3球三振の立ち上がり。
2番キクトは141キロ直球を弾き返しショート左をライナーで抜きヒット。3番ホールディングも初球打ちで左前安打と続き、1死一、二塁。
いきなりのピンチで4番マッカラムを迎え、カウント3-1から内角へのストレート。打球は詰まり、二塁杉崎へのゴロとなり4-6-3のダブルプレーが完成。落ち着いてピンチを切り抜けた。
- 日本先発の小笠原慎之介(撮影・奥田泰也)
船曳が押し出し四球を選び先制
<2回表 日本>
4番清宮はフルカウントから外角への変化球をきっちり見極め四球で出塁。5番篠原が初球バントを成功させ1死二塁。
6番勝俣も初球のストレートを捉え、センター前ヒットを放ったが、二塁走者清宮はスタートが遅れ、三塁にとどまる。7番堀内はストレートの四球で1死満塁。
8番杉崎は2球空振りで追い込まれる。ファウルなどで粘ったが、最後は内角低めへのスライダーに空振り三振。
9番船曳はフルカウントから冷静に低めへのストレートを見極め、押し出し四球で先制!
- 2回表日本2死満塁、船曳の押し出し四球で生還した清宮を出迎えるナイン(撮影・田崎高広)
1番オコエは初球打ちの三ゴロに倒れ3アウト。
<2回裏 オーストラリア>
小笠原は1死から6番キングを142キロのストレートで、7番ニューボーンを141キロのストレートで2連続の空振り三振。3者凡退で切った。
<3回表 日本>
先頭の2番津田が死球で出塁。3番平沢への4球目で津田がスタート、投球もワンバウンドとなり盗塁成功。平沢は三飛に倒れる。
1死二塁と得点圏のチャンスで、さあ清宮だ!フルカウントとなり、外角ボールへ外れるチェンジアップに手が出てしまい空振り三振。5番津田も二ゴロに倒れ無得点で終了。
<3回裏 オーストラリア>
小笠原は8番カリルからの打順を難なく3人斬り。
<4回表 日本>
先頭の6番勝俣は追い込まれながらも落ち着いて四球を選ぶ。7番堀内がしっかり犠打を決め1死二塁。
8番杉崎への初球がワイルドピッチとなり1死三塁。しかし杉崎は変化球にタイミングが合わず空振り三振。9番船曳も二ゴロに倒れ、無得点。
<4回裏 オーストラリア>
先頭の2番キクトを2球で追い込み外角への140キロ直球で見逃しの3球三振。
3番ホールディングに対しては、内角低めきわどい球がボールの判定となりこの日1つ目の四球。4番マッカラムは内角直球で詰まらせ右飛。5番フルーはフルカウントから外角への変化球が外れ、四球で2死一、二塁。それでも、6番キングを外角高めボール球の139キロ直球で振らせ、空振り三振でピンチを切り抜けた。
<5回表 日本>
先頭オコエの捉えた打球は鋭く伸びたが、飛距離が出すぎレフト正面のライナー。1死から2番の津田が四球を選び出塁。
3番平沢は高めへのストレートを捉えたが、大きな飛球はセンターがキャッチ。
4番清宮は初球を打ったが、高く上がった左飛となり凡退。
- 5回表、清宮は凡退し悔しそうに引き揚げる(撮影・奥田泰也)
<5回裏 オーストラリア>
7番ニューボーンを、フルカウントから外角いっぱい138キロ直球で見逃し三振。
8番カリルは2球で追い込み、内角へのカーブで見逃しの3球三振。
9番ツイは139キロストレートで空振り三振。
この回3者三振で、前の回から4者連続。小笠原は早くも7個目の三振。
津田タイムリーなどで4点追加!
<6回表 日本>
オーストラリアは2番手のヘンドリクソンが登板。テンポよく投げ込む長身のオーバースロー左腕。
先頭の5番篠原に対し、ヘンドリクソンは制球が定まらず四球。6番勝俣の犠打を投手が処理したが、二塁への送球が悪送球になりオールセーフで無死一、二塁と好機を広げる。
7番堀内はバントの構え、初球をパスボールし無死二、三塁。
ここで西谷監督は代打・郡司を送る。郡司はフルカウントまでじっくりボールを見、2球ファウルのあと四球を選ぶ。
無死満塁となり、東海大相模の主砲・豊田が代打で登場。
オーストラリアはヘンドリクソンを諦め、右腕ローリンソンにスイッチ。
豊田は初球が脚に当たり押し出し死球で追加点。
9番船曳も押し出し四球を選び3点目。
1番オコエはフルカウントから詰まった三ゴロで本塁封殺。
1死満塁で2番津田は初球を打ち右前へタイムリー。2人が生還。
- 6回表、津田は右前2点適時安打を放ち一塁ベース上で笑顔を見せる(撮影・奥田泰也)
3番平沢への2球目で津田が盗塁失敗で2死三塁。平沢は中飛に倒れ3アウト。
<6回裏 オーストラリア>
日本は守備変更。代打郡司は捕手、代打豊田は右翼へ。勝俣が一塁、篠原が三塁、津田が二塁へと変更。
先頭の1番バンカンが左前へヒット。2番キクトの犠打を小笠原が掴みそこね、失策で無死一、二塁。3番ホールディングのところでいきなりボークを取られ二、三塁に。小笠原はホールディングを141キロ直球で見逃し三振。
4番マッカラムを138キロ直球で一ゴロ。その間に三塁走者が生還し、日本は今大会初失点。5番フルーを右飛に打ち取り、最少失点で切り抜けた。
<7回表 日本>
先頭は4番清宮だったが、変化球を引っかけ二ゴロ。この回は3者凡退。
<7回裏 オーストラリア>
日本は2番手で花巻東・高橋樹が登板。津田が遊撃に回り、宇草が入り二塁へ。
小笠原は6回を投げ3安打1失点。9三振を奪い最速は144キロだった。
高橋樹は1死から7番ニューボーンに四球を与えたが、続く8番カリルを変化球で三ゴロ併殺に打ち取り3人で抑えた。
- 7回から登板した高橋樹也(撮影・奥田泰也)
<8回表 日本>
2死から9番船曳が四球で出塁。1番オコエへの2球目で船曳が盗塁に成功。しかしオコエは変化球に空振り三振で無得点。
<8回裏 オーストラリア>
高橋樹は先頭の9番ツイを140キロ直球で空振り三振。2死から2番キクトを外角へのスライダーで空振り三振に取り、3者凡退。
清宮二塁打!オコエ適時打など5点
<9回表 日本>
先頭の2番津田は変化球を引きつけて右前へ2打席連続のヒット。
1死一塁から、4番清宮は初球のストレートを思い切り引っ張り、右翼線へ痛烈な当たり。二塁打となり1死二、三塁と好機を広げた。清宮は第1戦以来2試合ぶりのヒット。
- 9回表日本1死一塁、清宮は右翼線へ二塁打を放つ(撮影・奥田泰也)
5番篠原は二ゴロを打ち、セカンドが本塁送球。タッチアウトの判定だったが、捕手キングが落球しており津田が6点目の本塁を踏む。
6番勝俣は十分な飛距離のライトフライを放ち、犠牲フライで清宮がホームイン。
8番豊田は遊ゴロを放ったが、遊撃手が三塁へ送球。三塁手はタッチプレーと勘違いしたか、タッチにいってしまい篠原の足が速くセーフに。これで2死満塁。
2死満塁から9番船曳が三遊間を破るヒットで2点を追加。
オーストラリアは4番手ウィリアムズが登板。
なおも2死一、二塁で1番オコエは甘く入った変化球を逃さず左前へタイムリー。
- 9回表日本2死一、二塁 オコエ瑠偉は左前適時安打を放つ(撮影・奥田泰也)
2番津田が中飛で3アウト。
<9回裏 オーストラリア>
日本は3番手で県岐阜商・高橋純が初登板。
先頭の3番ホールディングに対し、初球は144キロで空振り。4球目には146キロをマーク。ストレートばかり8球続け、最後は144キロで遊飛。
4番マッカラムに対しては、145キロ、低めボール球のストレートで空振り三振。
5番フルーはストレートの四球。6番キングは右前へのヒットで2死一、三塁。
7番ニューボーンは3ボールから、変化球が外れ四球で満塁。
8番カリルに対しては143キロ低め直球で空振り三振。満塁をしのぎ、試合を締めくくった。
- 9回から登板した高橋純平(撮影・奥田泰也)
<日本スタメン>
1(中)オコエ
2(三)津田
3(遊)平沢
4(指)清宮
5(一)篠原
6(右)勝俣
7(捕)堀内
8(二)杉崎
9(左)船曳
先発P=小笠原
<オーストラリア・スタメン>
1(中)バンカン
2(左)キフト
3(指)ホールディング
4(一)マッカラム
5(二)フルー
6(捕)キング
7(三)ニューボーン
8(遊)カリル
9(右)ツイ
先発P=バレット
<日本メンバー>
【監督】
30 西谷 浩一(45=大阪桐蔭)
【コーチ】
31 仲井 宗基(45=八戸学院光星)
32 島田 達二(43=高知)
【投手】
11 佐藤 世那(3年=仙台育英)
12 成田 翔(3年=秋田商)
15 高橋 樹也(3年=花巻東)
16 小笠原慎之介(3年=東海大相模)
17 上野翔太郎(3年=中京大中京)
18 高橋 純平(3年=県岐阜商)
19 森下 暢仁(3年=大分商)
20 勝俣 翔貴(3年=東海大菅生)
【捕手】
9 伊藤 寛士(3年=中京大中京)
22 郡司 裕也(3年=仙台育英)
27 堀内 謙伍(3年=静岡)
【内野手】
1 平沢 大河(3年=仙台育英)
2 津田 翔希(3年=浦和学院)
3 清宮幸太郎(1年=早実)
5 宇草 孔基(3年=常総学院)
6 杉崎 成輝(3年=東海大相模)
10 篠原 涼(3年=敦賀気比)
【外野手】
7 豊田 寛(3年=東海大相模)
8 オコエ瑠偉(3年=関東第一)
21 船曳 海(3年=天理)
【U18W杯】
1次リーグはA組(日本、米国、メキシコ、オーストラリア、ブラジル、チェコ)B組(キューバ、台湾、カナダ、韓国、イタリア、南アフリカ)に分かれ、各組上位3チームが2次リーグに進出。2次リーグでは別組の上位3チームと対戦し、1次リーグの勝敗を加えた総合成績により決勝、3位決定戦(ともに9月6日・甲子園)を行う。高校日本代表が出場するのは04年(準優勝)12年(6位)13年(準優勝)に次ぎ4度目。